「こうしなきゃダメ」ではなく、言葉の頭に「もしかしたら~」、語尾に「かもよ~」

 元々はADHD息子の反抗期に悩む母親の体験記のような内容ですが、家庭内の問題や学校・友人関係に悩む塾生たちにどのように対応したらよいか、参考になると思える記事です。
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●絶賛反抗期の息子は、人の話を聞かない…どうやったら伝わるの?
 これまでは、会話にそんな気を使ってこなかった私。雑談でも、相手を思いやったり場の空気を悪くしないで盛り上げるテクニックがあることを知りました。

 発達障害がある人がやってしまいがちな「会話のクセ」を教えてもらうと、息子どころか私にもあてはまることがいっぱいありました。その悪いクセは、ワークショップで学んだ会話のルールやマナーを実践することで、改善することができるのです。
 ちょっとした物言いで、周りの子と争いが勃発しがちな反抗期の息子です。「早く教えなきゃ!教わったこと全部伝えたい!」と気持ちばかり焦ります。でも、絶賛反抗期の息子に「いいネタありまっせ」と教えたところで、荒ぶる思春期の負のパワーで拒否されるのは目に見えています。自分の話は長々とするくせに、人の話を聞くことは苦手なリュウ太です。どうしたらいいのか、途方に暮れてしまいました。

●「もしかして」「かも」語法で、自主性・想像力・柔軟性を育む!
 発達障害がある子はとっても素直な子も多いといいます。親の言うことは絶対守り、親の言ったことを疑わずそのまま大人になってしまう人もいるそうです。でも、親だって間違ったことを言うこともあるし、偏見で発言することもあるかもしれません。世の中にはいろいろな答えがあり、親の言うことがいつも正しいわけではない。自分で選んでいく力も必要です。また、「こうしなきゃダメ」と決めつけるのではなく、柔軟な考え方ができたほうが生きやすい面もあります。そういう考え方を育むためにも「断言しない伝え方をするといいですよ!」と教えてもらいました。言葉の頭に「もしかしたら~」とつけたり、語尾に「かもしれない」とつけて、他の考え方の余地もあることを示す言い方をするのがいいそうです。

 このアドバイスが私にドド―――ン!っと突き刺さりました。

 そうだ!子どもに「こうしなきゃダメ」とか決めつけて伝えてきたかもしれないと振り返ることができました。これが、息子にコミュニケーションのコツを伝えていくときの一番のポイントかも!と思ったのです。

●さりげなく刷り込む。反抗されても、聞く耳持たなくても、地道な声かけを続ける!
 学校で同級生とトラブルになった日は、決まって帰宅後グチることが多かった息子。機嫌の悪いときに「こうしないからケンカになるのよ」と言えば火に油…カチン!ときて親の言うことなんて聞かないでしょう。
 そこで、グチってイヤな思いを吐き出した後に、さりげな~く「こうするといいかもよ~」と言ってみることにしました。

 例えば、友だちと音楽の趣味で話が割れたときなら「友だちの好きな音楽も聴いてみると意外といい曲あるかもよ~」と言ってみたり。干渉してくる子がいてムカついたときは「もしかしたらリュウ太のことが気になる存在なのかも。今後仲良くなることもあるかも~」と伝えてみたり。そうしたら、「んなことあるわけねーじゃん!」と怒鳴っていましたけどね。

 でも、何を言っても、反抗的な返しをしてくるばかりで、イラッとすることや悲しくなることもありました。この子には何を言ってもムダなのかしら?大きくなっても人のアドバイスを受け入れないで一匹狼で孤独に生きていくようになるんだろうか…?と心配もしました。
それでも、人間関係でグチってきたときは「かもよ~」を語尾につけながら、さりげなくコミュニケーションのコツを伝えていったのです。

●刷り込み作戦開始から1年経過。時間差でキテる!?
 会話のコツを教え始めたのは、息子が中1の頃。何度も何度も、刷り込むように伝えていると…中2の冬ころだったでしょうか?ようやく効いてきたのかも?と思うことがありました。「興味ねー」と言っていた友だちの趣味を受け入れるようになってきたのです。小学校のころは、よくわからないゲームやマンガの話をされると入っていけないと悩んでいたのに、「知らないことは質問するようにした」と言うのです。質問すると、新鮮な情報が得られてオモシロイことに気がついたようなのです!
さらに、自分の趣味の話については、その場の雰囲気に合わない場合は控えるようにしているというのです。みんなで共有できるネタのほうが、バカ話で盛り上がれることにも気がついたのだと。

 私はそれを聞いて「時間差でキテる!!」と確信しました。コミュニケーションのコツを息子はちゃんと聞いてくれていたんだ!とうれしくなりました。

●少しずつ上がってきたコミュ力。異性とのおつきあいでもその力を発揮?
 何を言っても反抗ばかりされて「もうこの子には何も言わない!」と諦めることもありましたが、地道に言い続けてよかったなと報われた思いでした。
もしかしたら、私のアドバイスは実はスッカリ忘れていて、独自に学んだ結果なのかもしれません。でもとにかく、周りの子といい関係を築けるようになってきたんだな~と、うれしくなりました。
ちなみに、「もしかしたらリュウ太のことが気になる存在なのかも。今後仲良くなることもあるかも~」と話した同級生とは、卒業近くには仲直りしていました。

 高校生になっても、人間関係のトラブルはありました。でもくり返し伝えてきたことで「もうわかってる。ちゃんとやってるよ」という言葉が聞けるようになってきました。自分の話ばかりしないで友だちに話させることや質問すること、相手が嫌がる話を避けることなど気をつけていると言います。

 ただ、息子を敵視する人には、どんなに会話のマナーに気を付けたり、会話のコツを踏まえて話してみても、イヤな表現で返されてくるから、会話は相手を選ぶ必要もあるな~ということにも気づいたそうです。

 

 

 

 

坂本伸一