"良かれ良かれ"で子供を壊す母の共通点②~親にできることはただひとつ、わが子の決断を信じること

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▼迷宮母の特徴3:「高スペック機能付きスキャナー母」
隣の芝生が青く見えてしまうことは誰にもあるが、このタイプはその「度合い」が尋常ではない。比較する相手が、自分より「上か、下か」を瞬時に感じ取ってしまう。いわば「敏感肌」とでも呼ぶべき母である。

周囲と自分を常に比べている状態にあるので、劣等感と優越感のはざまに苦しみ、毎日がとてもつらいのだ。子どもに関しても、学校の成績や運動能力などを他の子と比べ、少しでも上へ行けるようにわが子をせきたてる。そうした母が共通して言うことは、「子どもに劣等感を味わわせたくない」。だが、実際は自分が劣等感を味わいたくないだけなのだ。

そもそも人は、あらゆることに違いがあるから面白いのだということを理解しよう。「上か、下か」という価値観の中に「幸せ」は存在しない。

▼迷宮母の特徴4:「『まっ、いっか』がない完璧主義母」
このタイプの母は、我慢強く、他人への気配りにもたけている「良い人」である。しかし、その反面「完璧ではないわが子」を承認することができず、その結果、親子で出口の見えないトンネルの中でさまよう恐れがある。

例えば、テストで子どもが98点を取ったとして「あと2点で満点だったのに!」と小言を言うか、「すごいね、高得点じゃん!」と言うか。これは大きな違いである。前者の母はきっと、「98点という現状に満足せず、もっと上の100点を目指せ」ということを伝えたいのだろう。やはり「良かれ」と思ってあえて辛口評価をするのだが、いつもネガティブな評価だと、子どもを萎縮させてしまう。

完璧主義母は減点法で採点しがちなので、まずは自分自身を加点法で採点する癖をつけよう。自身とわが子の「ありのまま」をほんの少し、認めるだけでも生きやすさは変わる。

▼迷宮母の特徴5:「人生を楽しめていない母」
自分自身の人生を楽しんでいる母は自分のことを信じている。私の友人の名言に「親にできることはただひとつ、信じることだけ」というものがある。彼女は最近、めでたくおばあちゃんになり、名実ともに「母卒業」となった。そして親業を振り返ってこう言った。

「親にできることって、実は少なくて、もしかしたらこれだけかも。『親にできることはただひとつ、わが子の決断を信じること』」

私はこの発言の意味を、「自分を信じているから、自分が育てた子の選択も無条件に信じられる」ということだと理解した。自分自身への信頼から母子の信頼関係が生まれ、子どもの自立を促すことになるのだろう。

しかし、ふだんから「人生を楽しめていない母」は自分だけでなくわが子を信じる気持ちが足りないため、子どもに何らかの問題が発覚するや否や、その不安をいつまでも抱え込んで、子どものやることなすことすべてに口出しをする。良かれ、と思って。

こういうタイプの母は、子どもに執着するのをやめ、まずは自分の好きなことを見つけて、人生を楽しむことだ。不安を数える時間を減らし、自分の人生を充実させる。そうすれば、おのずと子育てにもポジティブに向き合えるはずだ。

▼他の子と比較して、一喜一憂しない
以上、5つの特徴は、母自身の「不安神経症」が原因になっているように感じるが、彼女たちが一方的に悪いわけではない。

前述したとおり、わが国は子育てのしにくい環境にある。真面目な母ほど、子育てをしているうちに追い詰められてしまう。そうして子育てに苦しんでいる母には、以下のことを強くお勧めしたい。

「横で比べず、縦で比べよ」

これは私が尊敬する、ある中高一貫校の校長先生からうかがった言葉だ。この言葉には次のような意味がある。

「もし、子育てで悩んだら、お母さんはわが子を偏差値、成績、運動神経、体格……。そういう同級生やら、ご近所やら年齢やらの『横』と比べずに、去年と今年のわが子、3カ月前と今のわが子、昨日と今日のわが子というように、わが子自身の『縦』の成長で比べなさい」

わが子のことだけを考えているはずなのに、同時に「横」が気になると、その瞬間にわが子の「縦」を見失う。これは母自身にも言えることで、子どもの成長を焦る前に、自身の成長を縦で比べてみよう。自分の縦をしっかりとコントロールすることが、子育ての迷宮に入り込まないカギになるはずだ。

 

 

根木貴大