子どもの「本当の才能」を"観察"しない親たち ~「好き」や「得意」の延長に"才能"はあるか~

子どもの「本当の才能」を"観察"しない親たち ~「好き」や「得意」の延長に"才能"はあるか~
リンク)より転載

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『初めまして。中学2年の息子のことでご相談です。クラブチームで野球をしています。小学生まで成績は良かったのですが、中学になって悪くなる一方です。いくら本人に諭しても、やる気はあると自分では思っているようです。野球で高校進学を考えていますが、自覚と危機感がまったくありません。トイレに問題を貼り付けたり、携帯やゲーム、テレビを禁止しました。息子を追い込んでいるようで、毎日が辛いです。

野球に関しては、幼稚園から夢はぶれておらず、本気だとは思います。けれど、その夢を叶えるためには、野球だけでは無理なこと、今の状態だと夢は叶えられないこと、どうしたら息子に伝わるでしょうか。また、私からああしなさい、こうしなさいと言わず、自分で気がつくことができるでしょうか。勉強の大切さ、継続力を身に付けさせるためには、親は何をしたらいいのでしょうか。アドバイス宜しくお願いします。』(仮名:松本さん)


■辛いというのは、その方法が間違っているということ
かなり苦しいお立場にありますね。でも子どものことを考えるとそのようになる気持ちもよくわかります。それが親心というものですから。
しかし、毎日が辛いということは、その方法は間違っているということなんです。それに気づいているから、松本さんはこのようなご質問をされたのでしょう。

松本さんへのアドバイスの前に、お書きいただいた質問について、はじめにお答えしておきます。

1)(質問その1)その夢を叶えるためには、野球だけでは無理なこと、今の状態だと、夢も叶えられないことをどうしたら、息子に伝わりますか?
(回答その1)そのようなことを伝えることをやめたほうがいい

2)(質問その2)私からああしなさい、こうしなさいと言わず、自分で気がつくことができるでしょうか?
(回答その2)「ああしなさい、こうしなさい」と親が言わないから子どもは自分で気づくようになるというのが正しい

3)(質問その3)勉強の大切さ継続力を身に付けさせるためには、親は何をしたらいいのでしょうか?
(回答その3)何もしないほうがいい

質問と回答を比較いただくとわかると思いますが、松本さんの期待を裏切るような回答になっています。つまり、松本さんが考えていること自体が、すべてあるべき方向とは真逆であるということなんです。だから、回答はこのようになります。松本さんが日々辛くなる背景はここにあるのです。

おそらく、松本さんはつねに、子どもに“何かしよう”としているんですね。その気持ちはよくわかりますが、子どもから見たら、大きなお世話で、親が言えばいうほど、子どもの行動はその逆に向かいます。それが今の状態を作り出しています。

■“本当の”才能を見つけ、伸ばしていくということ
しかし、これだけでは、あまりにも無責任な回答になってしまいますし、松本さんも納得できないかもしれません。そこで、今回、親がやれる「最も重要なこと」についてお話します。おそらくこれまで書いてきた記事の中で最重要なことの1つになります。

それは「子どもの“本当の”才能を見つけ、伸ばしていくこと」です。

私は講演会や、少人数で実施する相談会(ママカフェ)で子育て中の親御さんたちによく次のようなことをお伝えしています。

20世紀型のキーワード:気合い・根性・努力
21世紀型のキーワード=ワクワク・ドキドキ・楽しい

気合いや根性でなんとかなるほど、勉強も仕事も単純ではなくなっていることは、多くの方がお気づきかと思います。スマートフォンやAIの登場など、世界は劇的に変化しており、単純な努力が通用しにくい世の中に変化しています。こうした時代を生き抜くためには、個々人の「ワクワク・ドキドキ・楽しい」の中から本人の特性、才能を見つけ、伸ばしていくことが、ますます重要なスキルになっていきます。

では、才能はどうやって見つければいいでしょうか。意外に、あまり語られることはありません。ですから、表面的な「好きなこと」「得意なこと」が才能であると勘違いしてしまうのです。

たとえば、野球が大好きでれば野球の道でいくとか、ピアノが好きだから音楽家になるという単純な発想になってしまうのはこういうことなのです。

もちろん、プロ野球選手になる子もいれば、一流の演奏家になる子もいます。しかし、そう単純に進まないことのほうが圧倒的に多いことは事実です。

実は才能というのは、表面的に目に見える部分にあるのではなく、その裏にあります。子どもがのめり込むものの「裏」にあるのです。

(中略)

■才能を見極めるためには
子どもが興味関心を持ち、はまり込んでいるものの「裏」に隠された才能を見極めるためには観察が必要です。じっくりと観察していると見えてくるのです。

(中略)

そしてその理由に沿う形で、支援を考えていくとよいでしょう。その流れの中で勉強へと自然につながる道が見つかるかもしれません。

 

 

 

 

紀伊谷高那