②子供の生きる力が育つ「原体験」とは? 学び&体験場所も紹介!

〈①の続き〉


子どもの個性によって学びも違う


とはいえ「原体験は、『これを学ばせよう』というスタンスでするものではない」と泉さん。

「私たちの考える原体験では、火や石など、単体での学びは目指していません。たとえば河原に行けば、石、土、水、木、草などいろいろなものがありますが、そこで何に興味を示すのかは子どもによって違いますし、何を学ぶのかにも個性があります」

同じ「火」の体験をしても、「火の熱さ」に興味を持つ子もいれば、「ものが燃える」ということに興味を持つ子もいます。子どもが示す興味によって、学ぶことはさまざまです。

「親は子どもが何に興味を示すのか注意深く観察して、子どもの興味が広がるようにサポートすることが大事です」

もし公園で子どもが足元のアリに興味を持ったのなら「どこに行くんだろうね」と声をかけたり、河原の石に興味を持ったのなら「その石でどんな遊び方ができるかな?」と声をかけたりして、子どもの好奇心をくすぐってみましょう。そうすれば、子どもはさらに興味を持って自らいろんなことを試してみるようになるのだとか。

まずは子どもが何に興味を示すのか、注意深く観察することが大切ですね。


近くの公園でも「原体験」はできる!!


また、「原体験」は都市部の公園でも体験できます。
「公園の土は天候によって状態が変わりますし、木を眺めるのも、目線の高さを変えれば見えるものが変わります。親も子どもと一緒に楽しむ気持ちでいれば、近くの公園でもさまざまな発見と体験ができると思いますよ」


近くの公園でも気軽に体験できる「原体験」ですが、親の手助けが必要な体験が2つだけあります。それが「火」と「ゼロ」体験。

「子どもが本物の火に触れる機会はなかなかありません。最近は焚き火ができる場所なども限られているので、火の体験は親が用意しなければなかなか体験できません」

「また、ゼロの体験をするためには、『ゼロ』を体感するための状況を作り出すことが必要です。たとえば、空腹を体験させるためには、ハイキングでごく少量の軽食を用意して、『ゴールしたらご飯を食べようね』など、『おなかがすいているのに食べるものがない』状況を作ります」

ほかにも、森で「これから10分間、森のいろんな音を一人で聞いてみて。ママたちは見えないところに行くけれど、ちゃんと見ているからね」と、(見守りながら)10分間1人にして「寂しい」という感情を経験させるなど。

「森や林など自然の中で1人で過ごす時間は、寂しい、怖い、不安など、子どもによってさまざまな感情を引き出します。なかには、森の静かさや、鳥の声に興味を持つ子も。何を感じとり、何を学ぶかは子どもの個性によりますが、このような『ゼロ体験』は子どもの感受性に働きかける体験と言えます」


小さな危険が大きな危険を防ぐ

子どもの感受性に働きかけるとはいえ、「怖さ」や「不安」などをわが子に経験させるのは、親としては勇気がいるもの。

とはいえ泉さんは、「『怖い』という経験や、ある程度の危険を体験させることは、より大きな危険や事故を防ぐためにも大切」と話します。

「たとえば、刃物を扱うとき、どのように使えば大丈夫なのかは体験させながら教えないとわかりません。火を扱う際も、擦ったマッチをずっと持っていたら火傷をしますが、火傷の痛みを知らないと火が危険だとはわかりません。ですから、子どもが興味をもっていることに対して、予想されるのが小さなケガの場合は、勇気を持って見守ることも大切です」

大きなケガをしそうな場合は、対象物を取り上げて危険を防ぐ必要がありますが、親が危険の大きさを判断しながら上手に危険を体験させてあげることが、結果的に大きな事故やケガを未然に防ぐことにつながるのですね。


近い世代の仲間となら体験がより豊かに

最後に泉さんは、「原体験は親子だけよりも、多少年齢が違っても子ども同士でさせたほうがより豊かな体験になりやすい」と話します。

「年齢が違うと、同じ対象物でも遊び方が変わります。それを見ながら『自分たちもやってみよう』とチャレンジすることが、学びの良い循環を生みます。また、人数が5~6人いると興味を持つ対象が異なり、より幅広い体験ができます」


同じチャレンジでも、親や家族だけでするよりも近い世代同士で経験する方が、自信や満足感が大きくなりやすいのだとか。

知識を知恵として活かせるようになったり、感受性を育んだり、子どもの「生きる力」を養う原体験。子どもの興味を広げながら原体験ができる環境をぜひ整えてあげたいですね。

 

 

 

匿名希望