「親力」とは子どもを勝ち組にするためにレールを敷くことではない

よく聞く「子供のため」という言葉。けれどもそこに、お子さんの本当の気持ちは汲まれているのでしょうか。親のさせたいことを無理強いしている可能性は? 無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』に、最近増えてきているという星一徹タイプの父親の弊害と、親の本当の役割が記されています。


◆「親力」とは子どもを勝ち組にするためにレールを敷くことではない

先日、子どものゴルフ大会の会場で、ある父親がインタビューを受けているのをテレビで見ました。その人は、わが子が将来ゴルフ選手になるのを期待しているとのことでした。それで、子どもにゴルフを習わせて、自分も週末の練習に付き合っているとのことでした。

ところが、アナウンサーが子どもに「将来どんなゴルフ選手になりたいの?」と聞いたら、なんとその子は「やだ~」と答えたのです。父親は苦笑いしていました。

この父親がどの程度本気なのかはわかりませんが、もしかしたら大きな勘違いをしているのではないかと心配になりました。というのも、40年前にはやった「巨人の星」の星一徹に似た考えの父親が、このごろ増えているように思えるからです。もちろん、母親にもいますが、特に父親に増えているような気がしてならないのです。

そういう親たちは、まず自分が「子どもをこうしたい」という勝手なイメージを持ちます。そして、それに向けてレールを敷き、子どもにその上を走らせます。子ども自身の気持ち、興味関心、意思、向き不向き、才能などは二の次です。そして、子どもにやる気がなかったり成果が出なかったりしたときは、大いに怒り叱りつけます。

そのとき、親の頭にあるのは「子どものためだ」という錦の御旗です。本当は、自分の勝手な願望を押し付けているだけなのですが、本人はそれを忘れています。
いつの間にか、「子どものためにはこれが一番。こうしてやるのが親の務めだ」と思い込んでいるのです。


さらに、このごろの勝ち組負け組などという言い方が親たちを駆り立てている面もあります。つまり、子どもが負け組にならないように今のうちにレールを敷いてやるのが親の務めというわけです。

そして、困ったことに、テレビなどのメディアでいろいろな成功例が喧伝されているので、自分たちもうまくいきそうな気になってしまうのです。でも、メディアに出てくる成功例はほんの一部に過ぎないのです。

その陰には、うまくいかなかった例が何百倍もあるのです。親が勝手な思い込みを子どもに押し付けて、子どもにはやる気もなく才能もなく、結局親がイライして暴言を浴びせたり暴力を振るったり…。これで親子の人間関係が崩れてしまったという例は、無数にあるのです。

特に、今私が心配しているのが、中学受験をめぐる問題です。私立中学や中高一貫校に入れることが子どものためだと思い込んで、子どもの気持ちや実態は二の次という親たちが急増しているからです。

ある親は書いています。「小学4年生から私立の○○学園を目指して受験準備を始めました。塾に通わせたり家庭教師をつけたりしてきたのに、受験まで半年の今になっても合格圏内に入りません。肝心の子どもには危機感も勉強の意欲もまったくなく、毎日のように叱りつけて勉強させています。昨夜は、とうとう父親が、子どもの態度に怒って殴ってしまいました」

こういうことがあちこちで起きているのです。この場合、問題があるのは子どもでしょうか、それとも親でしょうか?

この中学受験についても、父親が強引に進めている例が増えているように思えます。親の思い込みの対象がスポーツであってもそれ以外のものであっても、問題の本質は同じです。今の毎日が、一生涯に渡るいい親子関係を作っていくための一番大事な日々なのですが、親子関係に深刻な傷を作り続けている家庭がたくさんあるのです。

さかなクンイチローの親は、子どもをどう教育したのか

このような事態があちらこちらで起きているのですが、メディアに取り上げられることありません。取り上げられるのは、大きな事件になったときだけです。
 
06年に奈良県で起きた医者一家放火殺人事件は、その典型といっていいでしょう。医者である父親が、長男も医者にすべく、幼稚園のころから集中治療室という名前の勉強部屋で猛勉強を強いていました。その結果、行き着いたのがその事件だったのです。

子どもを思う親が本当にやるべきことは、自分の思い込みでレールを敷くことではありません。子ども自身がやりたいと思っていることを大切にして、それを最大限に手助けしてやることです。

そうすれば、子どもは毎日生き生きと生きられますし、能力も自信も意欲もつきます。そういう子は、大人になってから「自分が何をやりたいのかわからない」などと悩むことはあり得ません。生涯に渡って自分がやりたいことをどんどんやっていけますし、才能を大いに開花させることができるのです。

親にしても「自分の言う通りにしない」といって子どもを叱る必要がありませんし、それどころかたくさんほめられるようになります。当然、親子の人間関係もよくなるのです。

現在大活躍中のあのさかなクンは、小学2年生のとき魚に興味を持ちました。そのとき、お母さんは、魚がいるありとあらゆるところに連れて行ってくれたそうです。


あのイチロー選手のお父さんも、「もし一朗がサッカーをやりたいと言っていたら、私も一緒にボールを蹴っていたでしょう」と言っています。つまり、野球を選んだのはイチロー選手自身だったのです。子どもが野球をやりたがったのを、お父さんが全面的に手助けしたのです。

ですから、星一徹イチロー選手のお父さんは根本的に違うのです。そこを勘違いしている人が大勢いるようですが、この違いはとてつもなく大きいのです。


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華里