34万円のサマーキャンプの効果 子供は別人のように変化②

34万円のサマーキャンプの効果 子供は別人のように変化
リンクより転載です。

①のつづきです。
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◆17年目にして初めて掟を破ることを決意

 崎野さんは一人ひとり、全員の前で作文を読み上げさせ、キャンプ始動から17年目にして初めて、火おこしなしで食事をさせることを決心した。五分がゆと梅干し、出発前に各自準備したみそ玉だった。

 食後に再び火おこしに挑戦。チーム一丸となった“執念”が、3チームすべてに炎をもたらした。その夜は3泊分のおかずだった即席麺、缶詰、レトルトの牛丼などを放出、3日目にしてようやく、子供たちの歓喜と笑顔に包まれた。

「今の子供は個人プレーは得意だけど、チームプレーが苦手なんです。自分の思い通りにならない苛立ち、思いを伝えられないもどかしさ、傷つくことへの恐れ…。どう他人と折り合っていいかがわからない気がします。でも、極限状態で心をぶちまけてみたら、実はみんなも自分と同じ思いだったことがわかった。助け合える“仲間”がずっとそばにいたことにやっと気づいて、安心して心を開いたんじゃないかと思います」(崎野さん)

 翌日の朝食まで火種を消さないよう、その夜はたき火を囲んでごろ寝。チームメートと交代で炎を見守った。



◆キャンプに参加すべきは、親の方かもしれない

 このサバイバルキャンプ以後、子供たちの顔つきが如実に変わっていった。

 崎野さんは親たちへの報告も兼ねて、キャンプの様子を毎日数回Facebookにアップしていた。筆者も毎日チェックし、30日31泊キャンプの集大成となる60kmの徒歩の旅の途中に行われる、カヌーの川下りを取材にも行った。

「カヌーのために、今日まで頑張ってきたんだ!」と、日に焼けて真っ黒な顔たちが笑う。屈託なく、それでいて堂々、やさしい表情になっていたのが印象的だった。

「うちの長男も、キャンプから帰った姿に、『ドラゴンボール』の修行後の悟空みたいだ!とびっくり(笑い)。やたらと落ち着いて別人かと思いました」とは、2013年から2016年にかけて、きょうだい2人をキャンプに送り出した茨城県在住の都竹大輔さん。

「身体的にいうと、0.6まで落ちていた視力が2.0に回復。精神的にも、それまで人の意見に流されてなかなか結論を出せなかった子が、『薬剤師になりたい』と、県内トップの進学校受験を自分で決めて、塾も行かずに合格。つねに成績は学年20位以内をキープしています。私はキャンプ以後、勉強しろと言ったことはないですし、息子から訴えてこない限り、安易に口出しもしません。信頼していますからね」

 また現在、「ハローウッズ」の社員で、今回のキャンプにもサポートスタッフとして同行した“オカリョウ”こと岡崎遼さん(21才)も、小学5~6年生とキャンプに参加した“ガキ森”のOBだ。長女も“ガキ森”の卒業生という、母の芳恵さんが語る。

「私も夫も、いい学校に入って大企業に就職する人生よりも、子供には自分で生きる力を身につけてほしかった。中学受験が当たり前の時代ですが、塾の夏期講習に何十万円も使うなら絶対このキャンプだと、息子の意向に大賛成でした。

 息子が参加した当時は、チームの半分は問題児。殴り合いのけんかや脱走は茶飯事、サバイバルキャンプでは、あまりの空腹から、虫を捕まえて食べた子もいたようです。息子は、ひとりでもみんなとでも、生きていく術を学ばせてもらった。ハローウッズは心の拠。キャンプ時代のチームメートはきょうだいも同然で、今も強い絆で結ばれているようです」(岡崎さん)

 都竹さんも岡崎さんも、1か月子供と離れて初めて、自分が子供に依存していたことや、“親の責任”と言いつつ、実は子供が成長する場所を奪っていたのではないか…と気づいたという。

「30泊31日キャンプで自力で生きる力を体得すべきなのは、もしかしたら、親の方かもしれませんね」(岡崎さん)

※女性セブン2018年9月20日
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(転載おわり)

 

 

 


孫市