フラリーマンを作り出す「日本のしつけ主義」~大人になって本当に必要な「自立」の意味~②

フラリーマンを作り出す「日本のしつけ主義」~大人になって本当に必要な「自立」の意味~
リンク)より転載

①のつづき
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■子どもがやりたいことを応援してあげよう
では、どうしたらこのような自己実現力がついて本当の自立ができるようになるのでしょうか? そのためには、子どもがやりたがることをやらせてあげるのがいちばんです。そして、さらに深められるように応援してあげてください。

これは私の講演を企画してくれたある自治体の若い職員の方に聞いた話です。彼女が子どもの頃、たぶん小学4年生のときに、消しゴムはんこの体験教室に行ったそうです。けっこう楽しかったので、彼女はもっとやりたいと思いました。それを知ったお母さんが、その気持ちを応援してくれました。はんこを作りやすい消しゴムや彫刻刀を一緒に買いに行ってくれたり、消しゴムはんこの作り方を解説する動画を探してくれたりしました。はんこができたら、とても褒めてくれました

その後、お母さんがいろいろ調べてくれて、消しゴムはんこ製作用のセットがあることがわかりました。はんこ製作に向いている消しゴム、彫刻刀、インク、紙などが入っていてとても便利なものです。また、消しゴムはんこの本も買ってくれましたし、消しゴムはんこを葉書サイズの紙にスタンプして、それを玄関に飾ってくれたのもうれしかったそうです。こういった応援のおかげで、ますます楽しくなって熱中しました。

その熱中は2年半くらい続き腕前もかなり上達しました。みんなに「すごい!」と言われるようになり、自信がつきました。(中略)そこで得た自信が大きくて、その後いろいろなことに自分から進んでチャレンジするエネルギーになったとも言っていました。

こういう例はたくさんあります。親が応援してくれると、子どもは好きなことをどんどん深めていくことができるのです。すると、「自分はこれが得意だ」と思えるので、自信がついて自己肯定感が高まります。そうなると、ほかのことでもできると思えるようになり、自分がやりたいことを自分で見つけてどんどんやっていく自己実現力がつきます。本当の自立ができるようになるのです。

■子どもが苦手なことは?
ということで、親であるみなさんには、まず本当の自立とは何かを理解して、それをいちばん大切にしてほしいと思います。そして、子どものうちに生活習慣的な面で叱り続けないようにしてほしいと思います。

繰り返しになりますが、叱られ続けた子どもは「どうせ自分はダメな子だ」と思い込むようになり、自己否定感にとらわれた状態になってしまいます。そして、「自分がやりたいことを自分で見つけてやっていく力」、つまりいちばん大切な自立の芽も摘み取られてしまいます。

それを避けるためには、子どもが苦手なことはなんとかうまくできるように合理的な工夫をしてあげてください。それでも無理ならやってあげてもいいですから、いつまでもそんなところをつつかないでください。そんなことにエネルギーを使わないで、子どもがやりたがることを応援するほうに向けてください。

先に伸ばせるところをどんどん伸ばしてあげましょう。そうすれば、よい循環が始まります。子育てや教育のコツは、「難しいことは後回しにする。先に上げられるところから上げていく」ことです。

「できないことをやってあげると自立ができない」などというのは迷信です。自己肯定感と自己実現力を育ててあげれば、自分でどんどん伸びていけるようになります。生活習慣的なことも、だんだんできるようになります。

 

 

 

紀伊谷高那