子どもを動かす近道「親の手書きメモ」の威力

リンク


****************************
【ご相談】

小学6年生の男の子がおります。担任の先生から授業に集中できていないので算数は少人数のクラスに移動したほうがいいと連絡をいただきました。席も集中できないため前のほうにしたそうです。

低学年の頃は集中力がかなり高いほうで、授業中に覚えるだけで済んでいました。4年生の頃に県外に引っ越したため、家に祖父母がいて勉強を見てくれていた環境から夕方まで誰もいない環境に変わりました。それが原因なのかゲームでひたすら遊び、宿題もせず学校に行くことも多くなりました。

どうしたら、やる気を出してくれるのか。塾に入れること、ゲームを取り上げること、4年生まで戻って復習をすること、実家に一人だけ帰すこと……いろいろ考え、思い悩んでいます。



【「以前できたことが、できなくなる」は当然】

子どもの変化に直面し、「以前はできていたのに、なぜ今はできないの!」と以前と今の違いに対して、驚きと不安を持たれることがあると思います。しかしそのような現象は特別なことではなく、至って普通のことです。子どもは日々成長しているのですから。

 

ご質問の中で、県外への引っ越しによる環境変化が原因ではないかとおっしゃっていますが、確かに環境の影響もなくはないでしょうが、おそらくそれが根本的な原因ではないでしょう。

子どもは一般的に、面白くないことには集中しませんし、大人みたいに器用に集中しているふりもできないため、あからさまに態度に出ます。ですから、学校の授業も、家の勉強も、魅力的ではないし、つまらないということが原因なのです。

それを正直に行動で表現しているだけなんですよね。そのつまらないことに対して、「やりなさい!」「早くしなさい!」といったところで、まったく意味がないどころか、事態を悪化させることすらあります。



◆本題に入る前に、宮崎さんのご質問についてはじめにお答えしておきますね。

◆どうしたら、やる気を出してくれるのか?

→面白くなればやる気を出す

◆塾に入れる

→勉強の面白さをわからせてくれる先生がいれば効果が出る

◆ゲームを取り上げること

→今度はマンガを読むだけ

◆4年生から復習をすること

→意味はあるが、やる気がない状態であったり、「あなたはできない子!」というメッセージを与えかねないので、「前の勉強からやるほうが圧倒的に良いこと」という実行する意味を理解させてからでないと逆効果になる

◆実家に一人だけ返す

→根本的解決になっていない

残念ながら、宮崎さんがお考えになる方法は、すべて意味がないでしょう。「では、どうすればいいの?」と思われると思いますので、その方法についてお話しします。


【親の手書きメッセージが効く】

もともと知的好奇心が強く、学ぶということ、新しいことを知るということに強い関心を持っている子は、ほうっておいても勝手に学びます。しかし、学校で習うような知識には興味を持てないという子は少なくありません。

ですから、学びは楽しいことであると感じさせてくれる人と出会わないといけないのですが、偶然出会う確率は高くありません、そこで、出会いに期待するのではなく、家庭で実践するほうが確実です。そのための1つの方法についてお話ししましょう。

それは、

「親の手書きメッセージ」という方法です。

筆者はこれまで、子どもが日々のタスクを手帳に書き込む「子ども手帳」、親子でやりとりもする「親子手帳」を考案し、ご紹介してきましたが、親が手書きのメッセージを書き込むと、子どもの勉強の継続率がぐっと高まったという報告を多数いただいています。筆者も驚きましたが、親が手書きで書くメッセージには、親が思う以上の影響力があるのです。

メッセージの内容については注意点があります。

【使用上の注意】

◆メッセージ内容は「ポジティブ」なものにし、「ネガティブ」な内容はいっさい書かない

例)

勉強ちゃんとやっておくように→×(勉強関係はすべて子どもにとってはネガティブ)

宿題忘れないようにね❤→×(❤のマークをつけても、内容がネガティブ)

昨日のお手伝い、すごく助かったよ〜。ありがとう!→○

今日、ママお仕事でちょっと遅くなるかもしれないけど、なるべく早く帰るようにするね→○

◆メッセージには、子どもの自己肯定感を引き上げるマジックワードを入れてしまう

「すごいね!」「大丈夫!」「さすがだね!」「知らなかった!」「いいね!」「助かった!」「ありがとう!」「うれしい!」など

これらのマジックワードは、子どもの心に響くと同時に、親の心も暖かくなるものです。


【親から子へ「強制」する関係が「信頼」の関係へ】

このような手紙メッセージを日々残していると、どのような状況になると思いますか。初めのうちは、特に変化は感じられません。しかし、1週間、2週間とやっていると徐々に変化していきます。

たとえば、実際に次のような効果があったと報告をいただいています。

○手書きによる褒め言葉を楽しみにしてくれるようになり、子どもの物事に取り組む姿勢が変わった
○親が日頃から子どものいいところ、喜ぶポイントを探すようになり、親子の会話がはずみ、コミュニケーションの質が上がったように思う
○何より子どもが素直になり、楽しい雰囲気が多くなった
○これまで親が指示しても抵抗していたことを受け入れるようになった
○子どものほうから困っていることを親に相談するようになった

このようなプロセスを経て、親から子へ「強制」する関係が「信頼」の関係へと変化し、子どもの心が満たされていきます。

このような勉強とは一見関係ないささいなメッセージが、子どもの心を動かすケースがあります。心が満たされると、人は本来やらねばならないこと、子どもの場合ではあれば宿題や勉強などに対して行動する可能性が高まります。ぜひ一度試してみてください。


******************************

 

 

 

 

匿名希望