子どもを追いつめる、親たちの「願望と正論」

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子供に対する相談を石田さんが受けての言葉です。
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いただいた文章から察するに、お子さんは、とてもエネルギーが有り余っており、良い意味で子どもらしさを持ったお子さんのようですね。

山本さんも「彼が覇気を少しでも養い、彼自身で少しでも彼の世界を自由に泳ぐような生活を持ってほしい」と望んでいます。その一方で、同時に、「少しずつ社会や学校のルールを認識するとともに、勉学についても自分で少しでも発見し、地道に続けるという努力を願っている」という、とてもすばらしいお考えを持っていらっしゃることに感服いたします。実にすてきなお考えです。

しかし、お子さんのためを思っていらっしゃる山本さんには酷な言い方になるかもしれませんが、実はそれが極めて「危険」な状態を生む可能性があります。


どういうことかと言いますと、「親の『子どもにこうなってもらいたい』は押し付け」であるということなのです。もう一度言います。親のこうなってもらいたいは「押し付け」なのです。

親が、子どもへの理想のイメージを持つこと自体は問題ないのですが、多くの場合、その状態になるように、「押し付け」が始まる場合があるのです。「親は作為的行動に出て、親の価値観や思考の枠からはみ出ると“強制的に”戻させよう」とします。その枠とはルールであり、こうあるべきという姿であったりします。

広い意味での社会道徳や倫理観というものは確かにありますが、それが親の水準になると狭い意味での社会道徳、倫理観となり、極めて柔軟性の欠ける親主導型の「親の価値観押し付けモデル」となることが少なくありません。親と子では得意とする部分も異なり、才能も異なり、価値観も異なるのです。

山本さんのお子さんは現在、子どもらしい覇気と活力を持っているのですが、親はその方向が勉強に向かわない、親の考えるあるべき姿に向かわないため、日々ストレスを感じておられるようです。しかし、お子さんにはさらにその何倍もストレスがかかっていることでしょう。現に鉛筆を折るといった行動をされているということは、その一部のストレスが表出しているとも考えられます。

では次に、山本さんの場合、どのように対処するかという方法についてお話します。

方法はただ一つです。「親が考える『こうあるべき』『ルール』をすべて撤廃し、子どもの良い点は何か、子どもが大切にしている価値観は何か、にフォーカスする」ということです。

お子さんは何をしているときに、最も「ワクワク感」「充実感」を持っているか。そこを見るのです。それを入り口としてアプローチをしていくのです。しかし、このようなことをお伝えすると「ゲームをやっているときに充実感を感じている」という方がいます。本当にゲームをやっているときに真の意味で充実感を感じているでしょうか。多くの場合、ゲームは暇潰しやストレス解消でやっているものです。つまり、それは余暇的な息抜きであり、一時的な充実感なのです。本当にワクワク感、充実感があれば、ゲームの作り手になろうとしたり、eスポーツのような世界大会への出場などへと意識が向かいます。筆者が言う、その子にとってのワクワク感、充実感とは、将来的職業にもつながる可能性があるものなのです。

山本さんのお子さんの場合、ご相談文を読む限りですが、ゲームではなく、おそらく人と関わることに特質があるように思います。転校という経験を通じ、初めての人たちと関わる中で、自分の特徴を無意識に認識してきたのでしょう。このような環境に置かれた子は世の中にそう多くはありません。それを長所として、伸ばしていくといいでしょう

 

 

 

 

大崎