子どもの脳を育てる5つのヒント

脳の成長は子どものときの経験が関わっていることが近年の研究でわかってきています。
学力の高い子ども、賢い子どもはどのように育つのか、まとめた記事があるので紹介します。

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○楽器の演奏
子どもの習い事ランキングでも常に上位に入るピアノ。その他、エレクトーンやバイオリンなど、子どもに楽器を習わせたいと考えている(あるいは、すでに習わせている)親御さんも多いはず。

自分で楽器を奏でられるのは、教養としても非常に魅力的ですよね。加えて、楽器演奏が子どもの脳の発達に寄与することも、世界各地の研究で明らかにされています。

アメリカのバーモント大学は、200人超の子どもを対象に実施した調査で、楽器演奏により運動機能を司る運動野が活性化することを突き止めました。16万人の脳画像を見てきたという脳科学者の瀧靖之さんも、自身の著書で次のように書いています。

楽器の演奏自体、脳の活性化にきわめて有効です。まず指先をはじめ、肘、肩、体幹、それに脚まで動かす全身運動なので、脳のさまざまな領域を同時に刺激します。さらに譜面を見ながら演奏するとなると、脳の認知機能までフル稼働します。

さらに瀧さんは、音を司る脳の領域と言語を司る脳の領域は非常に近いところにあるため、言語能力の発達や、将来的に外国語を習得する際にも、幼少期の楽器演奏の経験は役立つのではないかと述べています。


○運動
学業成績と学力の関連性について調べるために、アメリカのカリフォルニア州教育局は、90万人超もの子どもを対象に大規模な調査を実施しました。そこで判明したのは、体力スコアが高いほど学力も高いこと。

文部科学省も、平成24年に発表した「幼児期運動指針」で次のような声明を発表しています。

「運動を行うときは状況判断から運動の実行まで、脳の多くの領域を使用する。すばやい方向転換などの敏捷な身のこなしや状況判断・予測などの思考判断を要する全身運動は、脳の運動制御機能や知的機能の発達促進に有効であると考えられる。」(引用元:文部科学省|幼児期運動指針)

ちなみに、ここでいう運動とは、なにも野球やサッカーといったスポーツに限った話ではありません。鬼ごっこ(歩く、走る、よける)など、動きに多様性がある “体を動かす遊び” でも充分なのだそう。


○自然体験
自然の中で遊んだことや自然観察をしたことがある」と回答している子どものほうが、理科の正答率が高いことがわかっています。

この傾向は、理科以外の国語や算数といった科目でも同様に見られたのだそう。自然体験もまた、学力向上にひと役買ってくれるのですね。

信州大学の平野吉直教授らが行なった「30泊31日の長期キャンプ」での実験でも、自然体験が脳の前頭葉機能を改善してくれることが示唆されたのだそう。

「キャンプ活動は、子どもたちに自然の中での活発な身体活動の機会、人間同士の密接なふれ合いの機会、さらには未来に挑戦できる自己を発見する機会を提供する。こうした機会が、脳機能、特に前頭連合野の抑制機能の発達に寄与し、さらに前頭連合野に何らかの構造的な望ましい変化を生み出す可能性を示している。」(引用元:平野吉直 (2001),「長期キャンプ体験が子どもの大脳活動に与える影響」, 国立オリンピック記念青少年総合センター研究紀要)

休日には遠方までちょっとだけ足を伸ばし、川遊びやキャンプなど、豊かな自然のなかでお子さまを思う存分遊ばせてみたいものですね。


○絵本の読み聞かせ
東京医科歯科大学の故・泰羅雅登教授は、世界で初めて読み聞かせを脳科学的に研究された先生です。泰羅教授は、読み聞かせにより、感情や情動にかかわる「大脳辺縁系」が活発化することを突き止めました。

この大脳辺縁系を、泰羅教授は “心の脳” と名付けています。嬉しいことが「嬉しい」とわかる、悲しいことが「悲しい」とわかる。こういった “感情認識” の役割を、心の脳は担っています。絵本を使えば、いろいろな感情を疑似体験させてあげることができ、心の脳が鍛えられていくというわけですね。

また、読み聞かせ中には “親の” 前頭前野が活発化するという嬉しい効果も報告されています。

ちなみに、読み聞かせの際には、言葉を指さしてあげたり、子どもに何か質問をしてあげたりするのが良いのだそうですよ。夜寝る前に、親子でからだを寄せ合いながら、絵本の読み聞かせをしてあげてみてはいかがでしょうか。


○親の愛情
最後にご紹介するのは、ウソみたいなホントの話、“親の愛情” です。

ワシントン医科大学のJoan Luby博士らの研究グループは、MRIを用いて92人の子どもの脳をスキャンしました。その結果、親からの愛情(※ここでいう「愛情」とは、親が子育てに積極的で、子どもとコミュニケーションをしっかりとっていることを指します)を充分に浴びて育った子どもは、そうでない子どもに比べて、脳の海馬の大きさが10%近くも大きかったそうです。

Joan Luby博士は、「人間の脳が発達していくうえで、心理的環境は非常に大きな影響を及ぼす」と述べています。“虐待を受けた子どもの脳が委縮していた” なんて悲しいニュースも耳にするくらいですからね。


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