「指しゃぶり」と「爪噛み」はむしろ身体にいい-子どもは土を食べても大丈夫?-

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□子どもが土を食べても大丈夫?
前回(「子どもを『花粉症にさせない』ためにできること」)、牧場の家畜やさまざまな種類の植物にさらされると、アトピー、アレルギー性のくしゃみ、食物アレルギー、ぜんそくのリスクが減ると書いた。だから出かけるなら牧場をお勧めする。
さらに、お子さんをお持ちの方に、田舎、郊外、市街地の公園などどこにいても心にとめておいてほしいことがある。お子さんには自由に土で遊ばせよう(食べてもいい)。
土壌は微生物の観点から見れば天国のようなもので、1グラムにつき10億個以上の細菌や、多くの真菌とウイルスを含んでいる。そこの地面の周辺に動物のふんがたくさん落ちていれば話は別だが、土壌にお子さんが病気になるような微生物は滅多にいないと安心していい。
それは免疫系を訓練してくれる複雑な微生物群集のすばらしい源泉だし、これらの微生物にお子さんをさらす絶好の機会だ。
もちろん、お子さんの免疫系の機能が損なわれていたり、非常に弱って衰えていたりすると、その弱みにつけ込んで病気を重くするような細菌が土壌にまぎれ込んでいる可能性はある。それでも、その可能性は低い。
小児科専門誌『ピディアトリクス』誌で紹介された、ある最近の研究によれば、小児が汚れた指を口に入れる行為には利点があるという。
ニュージーランドの研究者たちが、1972~1973年にかけて生まれた約1000人を38歳になるまで追跡した。これらの人々が5歳、7歳、9歳、11歳のとき、研究チームは両親に子どもたちが親指をしゃぶったり爪をかんだりするか尋ねた。
その後、13歳になったとき、犬、猫、カビ、ほこり、草に対する一般的なアレルギーの有無を調べた。すると、幼いときに「口に指を入れる癖」のあった子の38%にアレルギーがあったのに対して、そういう癖がなかった子では49%という結果だった。
この研究は2つの現象同士の因果関係ではなく相関関係を指し示すのみであるとはいえ、それでも興味深い。
親指をしゃぶる行為と、爪をかむ行為は、土を口に運ぶうまい方法だ。手の爪には150種以上の細菌が棲んでいて、その大半が爪床の下で土にまみれて繁殖している。子どもは手を汚す天才だから、親指は土を口に運んでくれるすばらしい手段だ。

□犬を飼うと子どものアレルギーが減る!
また、犬を飼うことも同様に、アレルギーを減らす。しかも、早ければ早いほどよい。犬がいると、お子さんが夢中になってそっちにはっていくのに気づくだろう。人間は犬と昔から長く共存してきたからだ。私たちは多様な犬種を生み出し、あらゆる形、色、大きさの犬と親しんできた。
犬を飼うのは、一種の共存と言える。私たちが犬に餌、住まい、運動、愛情を与える。犬はあふれる愛情を返し、交流、遊び、簡単な作業をこなしてくれる(玄関にだれか来たよ! あのヒツジを連れてくるのは任せて。トリュフが欲しいの? ぼくが見つけてあげる)。
だが、あなたは気づいてなくても、あなたと犬の間には目には見えない関係もある。ワンちゃんが外から帰ってくるたびに、外の環境の細菌を連れ帰るので、赤ちゃんが出合う微生物の多様性と数が増える。心配するかもしれないが、これはじつはいいことなのだ。
お子さんの発達中の免疫系はこれらの細菌に親しみ、その恩恵を受ける。ある研究で、犬から採取したラクトバチルス属菌を培養し、ぜんそくにかかったマウスに与えたところ、マウスがぜんそく発作を起こす回数が減った。犬がいる環境で育った子どもがぜんそくやアレルギーを発症する率が13%低いのは、これと同じ理由かもしれない。
著者の1人のロブの研究室での実験では、子どもと犬がいる家庭といない家庭の家族を合わせて60組集めた。17組は生後6カ月~18歳の子どもがいた。別の17組は犬を飼っているが、子どもはいなかった。8組が子どもと犬の両方がいて、残りの18組はどちらもいなかった。
(省略)

 

 

 

穴瀬博一