子供の遊び~リスクとハザードを見分ける

自然の中でのびのびこども育てたい。
そんな思いはあっても、ついつい危険を排除しようとして、こどもの遊びに制限を設けてしまう。
そんな親が多いのではないでしょうか。

のびのび育てるポイントは、リスクとハザードを見分けること。

リンク より引用
>リスク対策をどのようにしているのか?
 
私たちは、これまで関西で遊びを中心として、子どもたちにまちづくり、キャリア教育、グローカルに関する理解の促進につながる様々な体験プログラムを企画してきました。その中では、行政や企業等と連携した事業を数多く行ってきました。その際に、必ず尋ねられるのは、「リスク対策をどのようにしているのか?」ということです。
 
例えば、子どもがケガをした時どうするか?子どもが行方不明になったり、ワークショップ中にどこかにいかないようなスタッフ体制、導線が確保されているのかなどです。
 
これからのご質問について、私たちのこれまでのノウハウと経験をもとに、相手に納得してもらうため、詳細にご説明します。それに比例して、イベント当日のスタッフのマニュアルは、かなりのボリュームのあるページ数になります。
 
準備をきちんと行ったうえで、ヒヤリハットを少しでも減らすことがプログラムコーディネーターとして大切なことであり、子どもたちに学びを届ける事業者として当たり前のことだと自認してきました。
 
しかし、昨年引っ越してきた秋田県五城目町で行ったイベントでは、ちょっと様子が違ったのです。

>イベントの実施が決まったのは、イベント日の1カ月前です。

町側と打ち合わせを行い、具体的な実施内容が決まったのが2週間前。チラシを地域の小学校に配布したのはなんと1週間前です。

私たちが大阪で行ってきたイベントの感覚で言えば、チラシは1カ月半前に配布することさえあります。1ヶ月を切ると、みんなの予定が入ってしまい、調整が難しいためです。しかし、ここでは1週間前がちょうどいいとのこと。

天候などに合わせて柔軟に予定を組み替えることができるぐらいのスケジュール感覚で物事が動いているということに改めて気づいたのです。

これはどちらが良いかという話ではなく、五城目町とこれまで住んでいた大阪市内とでは、時間感覚の違うということです。1ヶ月2ヶ月前から予定をキチキチに詰め込んでしまうという都市型の時間感覚を改めて浮き彫りにさせる出来事でした。

>遊びと自然の中にある危険

イベントを行う前日に約3mの高さのすべり台を地元の企業さんに作っていただきました。素晴らしい高さです!本当に子どもたちはワクワクしそう。しかし、一方で、そりを滑るところには、落ちないように柵がありますが、登る際には柵がありません。

イベントのはじめに、子どもたちに対して、「すべり台の上ではふざけない」「下りるときも人がいないか注意する」「何かあったら大人を呼ぶ」「すべり台の逆走はしない」などの注意点を伝えました。

しかし、イベント場所には、新雪もたくさん降っていて深いところでは、60cmぐらい足が雪に埋まります。子どもが遊んで走っていると、60cmぐらい埋まってしまうと、自分では出れなくなったりしそうです。

新雪で埋まったら事故が起こるかもしれない」ということで、前々日から少しずつ有志で踏み固めていきました。しかし、校庭全部を踏み固めるにはほど遠く、どうしたら良いものか地元の方に聞いてみました。すると、

「だいじょうぶ、だいじょうぶ、子どもたちは冬の時期に行き帰りの通学路でもよく埋まっているし、周りの大人が助けてくれている。今日も、これだけ大人がいるから、目が行き届く。ズボッて埋まって動けなくなったら周りの大人や子どもがちゃんと助けてくれるって。ちょっとぐらい危ないほうが子どもたちも楽しいよ」

むやみやたらに遊びと自然の中にある危険を取り除こうとしていない。

イベント当日は、この3mの雪の滑り台や、宝探しゲームなど、3時間のイベント中に約90人の子どもと大人が参加しました。地元の方の言葉通り、子どもたちは雪に埋もれたり、ハマったりしながら、徹底的に遊んでいました。

参加者の保護者の方も、イベントに来たから「後はお任せ!」ではなく、自分の子どもたちはもちろん、他の子どもたちにも目をくばりつつ、危険を感じた瞬間に的確に声をかけながら、自分たちも楽しんで他の保護者の方と談笑していました。

遊びの中の危険には、2種類があります。子ども自身が予見・予測可能で、遊びの中で学びにつながる危険を「リスク」と呼び、子ども自身に予見・予測が不可能・困難であり、遊びとは関係のない危険を「ハザード」を呼ばれています。

イベントを見ながら、地域によってこんなにも遊びに関するリスクとハザードの認識、子どもたちを見守る力、子どもたちにゆだねる力が違うのかと再認識した出来事でした。

 

 

 

望月宏洋