「こどもの考える力」ー遊びと大人の距離感ー

リンクより□

これは一言にいうことはできないけれど、
保育園で子どもたちを見ていくにあたって、

「自分でどんどん遊びを見つけて発展していく子」と
「なんとなくフラフラしている子」の存在に気づく。

(「考える」っていうことはどういう環境から身についていくのか?)
(人ってどういう風に育っていくのか?)
(その子の中の自信はどう育まれていくのか?)

わたしの純粋な子どもたちへの興味はここからきていると思う。

さて、「自ら遊びを盛んに行う子」と「なかなか見つけられない子」そうなったときに、様々なことを頭に浮かべる。

・環境がその子の発達や興味にあっているか
・その子は子どもたちの中でその発達が促されていくのか、
それとも保育者の援助があったほうがやりやすい段階か
・家庭環境はどうなっているだろう、関係性や情緒はどうだろう
などということを思い浮かべる。

まず、環境を見直す場合、
今の環境はその子の興味や関心、発達に合っているのか?

でもそれを見直しても、すぐに「遊びこむ姿」を見るとは限らない。


それはいろいろなことが組み合わさって、その子の今の映し出しているから。
その子自身の生まれ持ってきたものもあると思う、
それよりも今よりもっと幼い時に、例えば0~2歳のときにどのようにして遊んできているのか、というところだったり、
どのような家庭環境なのか、というところと大きな関係性が見える。


例えば、特に感性が豊かな1歳児の時に
感覚遊びをたくさんして、そのなかで自分でたくさん感じる経験をしている、いろいろなものを五感で味わい、
いろいろな感情を味わいながら子ども同士の関わりの中で過ごすことは大きな意味をもたらしていく。

その子どもたちが2歳児になったとき、より自己意識が高まり、他との関係性も築いてきて、自分の意志もはっきりする分、自分で遊びを見つけ集中している。

その背景には、大人が介入しすぎないことの大切さが隠されている。

その子が集中しているとき、その子は何に興味をもって、それをよく観察し、触れて、観ているのだろう、

考察していく中で、例えば
その子が絵の具のついた板をたたいている、とすれば、
「その子は何を楽しんでいるのか?」「何を感じているだろう?」と観察していく。

色の混ざり方なのか、
そのぐちゃっとした感じが手についたり離れたりする手の感覚なのか、
その音自体なのか、

その考察から、手の感覚なら、
さりげなく様々な素材のものをその子が気付きそうなところに置いてみる。

カシャカシャなる、プラスチックだったり、ぷちぷち、光る素材、堅いものやザラザラ、葉っぱや、木、さらさら、と思いつく限りのいろいろな感触だったり、音だったりが感じられるもの。

すると、気が済んだその子が素材をみつけ、ぐしゃぐしゃっと触り出したりする。
こちらは絵の具のコストも心配しすぎずに、その子の素材との遊びを見守ることもできる。

近すぎず、遠すぎない距離感。
これをオランダのピラミーデではnearnessとdistanceとあらわす。
この距離感、が子どもたちの自分でやろうとする、自発性だったり、
自分で考えて遊んでいくのにとても大切だ。


一方で、遊びが見つけられない、という場合。
それは今までどんなふうに遊んできているのか、という経験も大きい。
比較的遊び方が限られている、既存のおもちゃで遊んでいたことが多ければ、
自分で考えて遊ぶことも自然と少なくなる。

その設定の決まっている遊び方をしながらも、
自分で遊びを作ったり考えたり、ということもできることはある。
ただ自由度が少ないのはもったいない。
自由度が高いほど、自分で想像して、創造することができる。
ただ、それには段階がある。

最近は、イラストや塗り絵でも、
自分のオリジナルのアイデア、想像力を組み合わせるようなものも出てきている。

ただあるものをやる、(決められたことをやる)というところと、
そのあるものを自分でアレンジすることがしやすいものを
今までやってきているか、というところは、
その子が自分で考えて、そこからどう面白くなるか自分の中で思いついたものをクリエイトしていく中でとても大切だ。

そうして、少しずつ想像力がついていって、
ただのブロックでも、
「そんなものが作れたの?!」っていうような、
その子が好きなもので、その子のアイデア
「これがかっこいいな」っていうその子のこだわりや想いをベースとした
アウトプットすることが増えていく。

そこで
「●●を作ったんだね!」などとは言わないように気を付ける。
こどもたちの自分の言葉でそれは何かを引き出したいからだ。

よく出る言葉、「すごい!」にも気を払う。

なにがすごいのか?何に興奮したのか?明確にしないと、
時間がたつとともに、「ただ褒められたい」がゆえに、作る、と
目的と手段が逆になってしまうことも考えられるからだ。

大人を頼りがちな自信がない子だったら、
「自分一人で作ってみたんだね!」と自分で作ったらそこを認めてあげたいし、
純粋にその子の作品がかっこいい!と思ったなら
「ここの部分はなに?この色を選んだのも素敵だね」
とこだわりを聞いてみる。

それを問いかけてみたときに
「待ってました!」とばかりに目を輝かせて、その作品への言葉や思いがあふれ出す。

そうして自分から生み出したものを大切にして、誇らしくも感じられる。
自己肯定感が高まっていき、自分の自信もついていく。

 

井垣義稀