「自ら考え、学ぶ子に育つ」親と始める自然体験

以下抜粋
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――ご自身の自然体験から、子育てに生かしているポイントはありますか?
瀧:ありますね。自然に触れさせることで、とにかく子どもの知的好奇心を育みたいと思っています。自然はありとあらゆる要素から構成されていて、興味が無限に広がります。知的好奇心を刺激するには絶好のフィールドです。

政井:わが家では夫の趣味が釣りやアウトドアスポーツで、子どもが1〜2歳の時から釣りに連れて行っていました。あと、夫も瀧先生と同じく昆虫採集が大好き。遠くにいるカマキリやバッタもすぐ見つけたり、ここにはこの虫がいるはず、と的中させるほどで、すごい才能だと思います(笑)。よく子どもと一緒に原っぱで時間を忘れて虫捕りをしています。

瀧:それはすばらしいですね。 子どもは親の背中を見て育つので、誰より親が楽しむ姿を見せることが、子どもには最も効果的なんです。

政井:家にいるとゲームやテレビばかりになりがちですが、自然の中に連れて行くと、勝手にいろいろな発見をして、「これ何だろう」とちゃんと興味関心を持ってくれます。その間は「ゲームしたい」なんて言わないから不思議ですよね。それだけ夢中にさせてくれる自然って、すごいなと思います。

瀧: その「熱中体験」こそ、自然が子どもに与える成長の1つだと思います。季節や時間帯が違うだけで、出合う景色や動植物が異なるので、いつ行っても飽きませんしね。これがゲームとのいちばんの違いだと思います。奥深いから、探求心がどんどん深まるわけです。

政井:自然にはリアルな美しさがあるのもいいですよね。

瀧:そうですね。感動体験は、実は自己肯定感を高めるためにも大切な要素です。

政井:自己肯定感は、達成したり褒められたりして高まるものだと思っていましたが、こうした環境による感動体験でも高まるんですね。実体験だけでなくて、家の中で図鑑を見たりすることにも効果はありますか?

瀧:一般的に、繰り返し目にするものには「単純接触効果」が生じます。これは物事に好意を持つ大事なきっかけです。感情と記憶には密接な相関があるので、何度も調べて覚えるうちに好意的な感情が出てくるのです。自然の中で実際に見たものへの好奇心と、図鑑を通しての接触とで記憶力が向上し、結果として学力にもつながるといえます。

政井:好きになれれば、そこからは楽しみながら学べますよね。子どもが少しでも興味を示していたら、それをさらに深めるもうワンアクションを、というのは心がけてきました。図鑑や絵本を買うのもその1つです。

中略

――今の子どもたちは、勉強や習いごとで忙しく、自然体験が後回しになってしまう印象があります。どうお考えですか?
政井:私は、自然体験のほうが大事なのかなと思うようになりました。「勉強」には、後からでも学べることのほうが多いので、自然体験を優先させるべきなんじゃないかと。というのも、私の母がいわゆる教育ママで、私は勉強や受験をしっかり頑張ってきたんです。

でも、メキシコの親戚を訪ねたとき、子どもたちが山の別荘で乗馬をしたり、夏に海で目いっぱい遊んだり伸び伸び楽しんでいる姿を見て、「生きるために必要なことって勉強以外にもあるな」と実感したんです。

勉強ももちろん大事ですが、だからといって勉強だけでは人間として小さくなってしまう。一生懸命、塾に通って、受験をすること以外にもまだ大事なことがあるんじゃないかと。


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引用文献:東洋経済 ONLINE「政井マヤ×脳医学者「子育てと釣りの深い関係」」より
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