少子化は少母化問題、お母さんが産む子どもの数が減ったからではない

少子化に危機感を抱く人は相変わらず多いと思いますが、残念ながら、少子化は絶対に解消されないという話をします。「待機児童の解消」や「フレックスの弾力化、テレワークの推進」「幼児保育の無償化」など、特に子育て夫婦に対する支援を求める声が圧倒的に多い。それもどちらかと言えば、働くお母さんの支援的なものが多い。

もちろん、それはそれとしてやるべきことなんですが、それは本当の意味の少子化対策ではなく、子育て対策なんですよね。子育てをしている親に対してもっと支援を強化すれば、子どもをもっと生むようにになる、と言いたいのでしょうか?残念ながら、子育て支援をこれ以上やっても、少子化それ自体は解消されません。そんなことは、すでに子どもを2人以上産んだ方はよくご存じのはずです。政府の支援があれば3人目を生もうと思いますか?というより、支援があるとかないとかが、子どもを生むという大きな決断に直接的に作用しますか?
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現在の日本の合計特殊出生率は2017年時点で1.43です。女性は1.43人しか子どもを生んでいないということです。人口置換水準は、2.07と言われますが、そんな水準は1974年時点でとっくに割り込んでいます。そこからもうすでに45年も経過しているんです。今更、その水準どころか多分これから未来ずっと1.5すらも超えることはないでしょう。

勘違いしている人も多いのですが、この合計特殊出生率には未婚の女性も母数に含まれます。よって、未婚率が高まればそれだけ下がるのです。ご存じの通り、2015年時点での女性の生涯未婚率(今は50歳時未婚率と呼ぶ)は14%超です。1970年代は5%未満だった数字が10%もあがったのだから、出生率が下がるのは当然です。

よくフランスを見習え、などと言う出羽守(フランスでは~、スウェーデンでは~、と外国の話ばかりする人のこと)がいますが、そのフランスでさえ現在出生率は急降下中です。もっと言えば、日本に限らず、アフリカを除けば、全世界的に少子化になります。間違いなく。もうひとつ、みなさんが勘違いしていることがあります。それは、結婚したお母さんたちだけに限れば、ちゃんと2人の子どもを生んでいるという事実です。
1980年代まで日本は皆婚社会でした。ほぼ全員が結婚していました。その頃の結婚した女性が何人の子どもを産んでいたかご存じでしょうか?当時と比べれば、現代の女性は随分と子どもを産まなくなったと思っていますよね。女性の共働き比率の増加によって、子どもを産まなくなった夫婦が増えたとか言う人もいますよね?
本当にそうでしょうか?2015年の実績と比較したグラフをみると30年前と今、ほとんど変わらないんです! これは15~44歳の既婚女性だけを対象としていますが、子ども無しの夫婦は約2割、1人っ子は約3割、子ども2人は約4割、3人も約1割。ほぼ変わりません。30年前のお母さんとは、今赤ちゃんを出産した女性のお母さん世代に当たります。世代を超えて、ぴったり子どもの数の比率は同じなんです。なんなら4人以上子どもを生むお母さんは30年前より少し増えています。

今の若い女性たちが子どもを生んでいないなんてことはないんです!

もちろんこれは比率なので、出産実数にすると全然減っています。でも、それは子どもの数が減ったというより、お母さんの数が減ったのです。1985年時点では、1334万人もいた既婚女性(44歳まで)が、2015年には805万人まで減りました。なんと530万人も減少しています。

少子化ではなく"少母化"が問題なんです!

ここまで説明すればお分かりだと思いますが、要するに、結婚さえすれば、大体半数以上の女性は2人以上の子どもを生みます。つまり、少子化対策にもっとも効果的なのは、結婚数を増やすことなんです。最近、政府も自治体もようやくそれに気づいたか、婚活支援みたいなことをやっていますが、まあ、結論から言うと、婚活支援をやろうがやるまいが、結婚数は増えません。よって少子化は解消されません。

何をやっても無駄です。日本だけではなく、東南アジア含めたアジア諸国も全部2100年には合計特殊出生率は1.5を切ります。唯一、出生率があがるとすれば日本が共産主義国家となって、独裁者の名の下、強制的に結婚させて子どもを産まざるを得ない状況になることだけです。そうすれば、少子化は解消されるでしょう。しかし、そんな未来は来ないし、来られても困ります。ゆえに、絶対に少子化は止まらないのです。

 

    
姜ヨセフ ( 29 東京都 会社員 )