スキンシップは子育ての基本。肌の触れ合いは親も癒します

「親子のスキンシップが大切」と言われますが、なぜ大切で、どんな風に行えばいいのでしょう?
哺乳類から考える「スキンシップ」の効果とは?

リンクより

■皮膚は露出した脳 ~体 → 心 → 頭の成長プロセスを促す~
そもそも私が皮膚やスキンシップに興味をもった背景は、心理学を学ぶうちに「心を考えるにはまず体に注目すべきだ」と思うようになったからです。生物の進化の過程をみると、約40億年前、地球に最初の生物が誕生して以来、脳をもたない体だけの生物の時代が長くつづきます。この間、脳がなくても生きられたのは、細胞膜という皮膚が周囲の状況を感知するなど、脳の働きも兼ねていたから。皮膚はいわば、「露出した脳」だったのです。
 そのうちに神経の塊から核ができ、その一部が脳となって全身を統括するようになったのが、五億年ほど前のことです。生物はまず、長い年月をかけ、さまざまな環境に合わせて体を進化させ、しっかりとした土台をつくりあげてから、ようやく心や脳の発達をはじめたというわけです。
 また、脳自体の発達の歴史をみても、初期の生物には「爬虫類脳」といわれ、生命維持を司る脳幹しかありませんでした。その後、脳幹の上に「旧哺乳類脳」という旧皮質ができて五感や快不快を感じる機能が備わり、その上に「霊長類脳」という新皮質ができて知的活動ができるようになりました。このように生物の進化も脳の発達も、体から心、そして頭という流れになっています。
 子どもの成長も同様で、体づくりが最優先。その後に心や頭の成長が続くのが自然な流れです。とくに新生児は触覚や皮膚感覚から発達します。実は触覚の発達は胎児のときからはじまっています。人間にとって基礎となるもっとも重要な部分だからでしょう。
 皮膚感覚を育むにはいろいろなものに直に触ることが大切です。とくに自然のものに触れてほしいです。人工物や工業製品はどれも触り心地がよく画一的ですが、自然のものには二つとして同じものがなく、手触りも多種多様です。さまざまな感触を体感することが感性を豊かに育みます。たとえば、「ザラザラした土」と言葉だけで教えられても正しくイメージできませんが、触ってみればすぐわかります。

 

松山恵実