うちの子は「主体性がない」と言う親の重大な盲点

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■主体的、前向きとはどういった状態か
小学校は2020年度から、中学校は2021年度から学習指導要領の目標や内容が変更になりました。この中で、「学びに向かう力」が重視され、従来の評価項目のひとつであった「関心・意欲・態度」は、「主体的に学習に取り組む態度」という言葉に置き換えられました。つまり、いま日本の教育の大きな柱の一つとして「主体的」が強調されています。
では主体性とは何かというと、これといって決まった指標があるわけではありません。「主体性の評価自体、難しい」と指摘する教育専門家の方も少なくありません。
例えば、子どもがハキハキ自分の考えを発言せず、外で人と遊ぼうとしないとなると親は心配しがちですが、それこそ一面だけを見ての評価です。内面では自分の興味がある対象には前向きであることは多くあります。

例えば、絵を書くことが好きで、人と会話をすることを好まない子どもがいたとします。すると親は、もっと社交的に、友だちと会話してほしいと願い、この子は前向きでないと捉えたりします。しかし、その子は絵に対しては「前向き」であり、充分心も満たされているのです。
このように考えると、親の「うちの子は前向きでない」という言葉は、親の理想とする姿に向かって動いていない子どもの状態を見て、親の眼鏡でもってネガティブに捉えている可能性があるともいえます。

これまで筆者は4000人以上の子どもたちを指導してきましたが、子どもたちは皆どこかに前向きさがあり、前向きさがまったくない子は一人もいませんでした。子どもは「もともと前向きである」と考え、それをいかにして「引き出すのか」と考えたほうがお互いにとって建設的、健康的ではないでしょうか。

■子どもの意見を否定せず、親は聞き役に徹する
意見に対して否定ばかりしていると、二度と意見をしなくなります。子どもの場合は特に顕著です。「わからない」という言葉を使って、親の問いに答えなくなることもよくあります。これは学校でも同じです。先生に意見を否定され続けた子どもたちは、その後聞かれても「わかりません」と答え、二度と自分の意見を言わなくなる。そんな場面をこれまでいくつも見てきました。

「話す」「聞く」の2つのとき、話すとき、人は能動的になります。一方、聞くときは受動的になりがちです。ですから、親は聞くこと、そして時折、質問をすることを意識してみます。子どもが自ら話をするような状態にすることを意識していくと、子どもの前向きさが引き出されていきます。

仮に親と子どもで意見が異なるときは、「そういう考えもあるよね、でも私はこう思う」と親は自分の意見を言うのはOKです。意見に正解、不正解があるわけではないため、異なっていても問題ありません。

また、子どもが話をしたくない場合は、無理やり話をさせる必要はありません。子どもが話したい話題を振ってみて、話をしたくなるようであれば、話をさせてあげてください。

以上、このように家庭での接し方を少し変えてみるだけで、子どもの前向きさが引き出されることがあるはずです。なお、いつでも前向きな人などいません。あまり深刻に、極端に考えることなく、穏やかに取り組んでみるといいのではないかと思います。

 

(大崎)