世話をする子育てではなく、“見せる”子育てを!


子育てと言ったときに、あなたは何を思い浮かべますか?
衣食住を提供し、宿題はやったか?ケンカしてないか?などなど、監視して、指導する子育てを想像していませんか?
逆に、そうやって子供の世話をする以外に何をするのか?わからないのではないでしょうか?

親子遊び研究家の篠 秀夫(しの ひでお)氏は、そうやって「してあげる」子育ては、ペットの子育てだといいます。

人間は、模倣して成長する生物です。親が楽しそうに生きていれば、子供は能動的に学んで(真似て)成長するはずです。

リンク より引用します。


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(引用開始)

周りを見まわすと、「世話をするだけの子育て」をしている人がいっぱいいます。

 一般的に、「世話をする」というのは「色々とやってあげる」ということでもあります。
 具体的には衣食住と安全を提供し、「勉強はやっているか」、「宿題はやったか」、「遅刻しないように学校に行けているか」、「友達とケンカはしていないか」、「片付けはちゃんとやっているか」、「遊びの場でルールを守っているか」などを監視し、もし出来ていなければ、それらをちゃんとやるように子どもに指導しています。
 「しつけ」と呼ばれるものもその一つです。

そして多くの人が、そのように子どもの世話をすることが「子育て」の中味だと思い込んでいます。というか、そもそもそれ以外に何をしたらいいのかを知りません。

 確かに「ペット」を育てる時には、世話をしてあげるだけで十分です。というかそれ以上のことは出来ません。

でも、人間の子どもには「見て学ぶ能力」があります。教えなくても周囲の子どもや大人がやっていることを見て、自分の力で学ぶ能力があるのです。

そしてその学びが自分自身の成長に繋がっている時、子どもは喜びを感じます。そして、もっと成長したいと思うようになります。

ちなみに、イヌは他のイヌの真似はするかも知れません。ネコは他のネコの真似はするかも知れません。でも、イヌもネコも自主的に人間の真似をするようなことはしません。
だから、人間と一緒に生活するためには、人間による世話と仕付けが必要になるのです。

ではどうして、見ているだけで学ぶことが出来るのかというと、子どもも大人も同じ人間同士だからです。同じ人間同士だから感覚が共有されているのです。感覚が共有されているから、一々教えなくても、見ているだけでどうしたらいいのかが分かってしまうのです。

 縄跳びをやっている子を一生懸命に見ているだけで、無意識のうちに、縄跳びをやっている子と見ている子の感覚が繋がり、見ているだけなのに、からだの中の「縄跳びをするための神経回路」が活性化し始めます。

だから、他の子が飛ぶ様子をよく見ていた子は、縄跳びのヒモを渡せばすぐに跳べるようになります。教える必要もありません。

でも、全然見ていなかった子に縄跳びを渡しても、戸惑うばかりです。「飛びたい」という欲求も目覚めません。だから、手取り足取り世話をして教える必要があります。それでも、うまく行かないとちょっとやっただけで簡単に放棄してしまいます。

そして今、そのような状態の子が非常に多いです。

 私は家で「何でもありの造形教室」をやっているのですが、工務店や大工の子も数人います。そして、お父さんの仕事を見ていた子は、教室に来てから初めてノコギリに触ったのに、ちょっとやっただけでコツを掴むことが出来ます。

お母さんが教えていなくても、手仕事が好きなお母さんの子は、ちょっと教えただけでコツを掴むことが出来ます。

また、お母さんやお父さんがやっていることと同じことを子どもはやりたがります。そういうように成長のシステムが設計されているのだと思います。

ただし、子どもが見て模倣したいと思うのは、お母さんやお父さんがその活動を楽しんでいたり、その活動に誇りを持っている時に限ります。

お母さんが楽しそうにお料理をしていれば、子どももお料理をやりたがります。
お母さんが楽しそうに片付けをしていれば、子どもも片付けをやりたがります。
お母さんが楽しそうに歌っていれば、子どもも歌い始めます。

でも、お母さんがイライラしながらお料理を作り、イライラしながら片付けをしていたら、子どもはそういう活動を嫌がるようになります。

 能動的に何かに取り組む事もなくなります。だから、お母さんがあれこれ世話を焼かなければならなくなります。

ちなみに、子どもが模倣するのは「お母さんがやっている」ことではなく「お母さんの気持ち」の方です。

ですから、子どもに片付けをさせようとしてお母さんがやって見せても、イヤイヤやっているのなら、子どもは真似しません。

お母さんが楽しそうに生きているのなら、子どもも生きることを楽しもうとします。
でも、お母さんが辛そうに生きているのなら、子どもも生きることが辛くなります。

 子どもはお母さんやお父さんが仕付けたように育つのではなく、お母さんやお父さんがやっているように育つのです。

まただから、「しっかりとした信頼で繋がった子どもや大人の人達の群れ」の体験が必要になるのです。子どもはそのような群れの中で社会性を模倣します。
(引用以上)
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(空野晴美)