行動を通じた「運動感覚」と「平衡感覚」によって、外識=内識の統合度を高めていく

五感(触覚・視覚・聴覚・嗅覚・味覚)の「外識感覚」の情報を受け、身体内部に欠乏の「内識感覚」が生じる。生じた内識感覚は神経を通って脳に信号を送り、そこで外識感覚と突き合わせ、整合・統合することで『対象=主体』となり、環境に適応できるようになる。(外圧=内圧)

ただ例えば、対人関係(コミュニケーション)において、相手の反応・振る舞いに対する予測と、実際に起こった結果にギャップを感じることは少なくはない。このことはどの対象においても同様で、外部環境は常に変化し、外識感覚と内識感覚との間には常に誤差を孕む。
そのため、脳(大脳新皮質)は、常に外識と内識の誤差を検出し、随時修正していく。またその経験値を蓄積し予測の精度を上げていく。

Q.この照合→誤差修正をどのように行っているのだろうか?
外識感覚と内識感覚がつながることで、行動信号が身体全体に伝わる。その行動によって、(五感とは異なる)筋・骨格・関節からの「運動感覚」と“前庭器官”の「平衡感覚」から新たな情報が生じる。

※前庭器官:耳の最も奥に位置する内耳あたりにある器官
リンク>ヒトは皮膚感覚や深部感覚、視覚を除いても、直進加速度や回転加速度を感ずることができる。この感覚を平衡感覚あるいは前庭感覚という。平衡感覚によって、生体は全身の姿勢と運動、全身の空間における相対的位置などが感知される。また、姿勢と運動の平衡や眼球運動も、平衡感覚によって反射的に調整される。>

(仮説だが)人類の脳(大脳新皮質)は、外識感覚と内識感覚と、この運動感覚と平衡感覚の情報を突き合わせることによって、「不整合の抽出⇒探索⇒組み換え・塗り重ね」を高めている可能性はある。
それによって、対象認識と主体認識の整合度、統合度を上げているのではないだろうか。

Q.このことは、霊長類(サル)も同じなのか、人類特有なのか?
基本構造は同じであろうが、人類は「対象との一体回路」がサルよりも強化されている(万物との一体化回路は人類特有)。
そして一体回路は対象と“同期”することが生命で、そのために「運動感覚」と「平衡感覚」の機能を強化したのではないだろうか。
そうだとすれば、人類は、一体回路(の欠乏)に導かれ、「外識感覚」「内識感覚」と「運動感覚」「平衡感覚」との整合・統合度を高めるなかで、外部環境(対象)と動的に“同期”し、それが認知能力を高めていったのではないだろうか。

 

(麻丘東出)