前庭覚・固有受容覚・触覚を幼少期に育むには?

「前庭覚」「固有受容覚」「触覚」という言葉をご存じでしょうか?
「視覚」「嗅覚」「聴覚」「味覚」「触覚」といった五感よりも総合的に、バランス感覚や運動機能を司る感覚が、「前庭覚」「固有受容覚」「触覚」と言います。

それらの感覚は幼少期に培われるもので、どのように感覚を育てていくかが子育ての大事な視点として注目されています。

以下抜粋
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 子どもの「困った行動」と関係のある感覚にはどんなものがあるのでしょうか。感覚と聞いて思い浮かぶのは、「視覚」「嗅覚」「聴覚」「味覚」「触覚」の五感ですが、総合的な運動や行動に重要な役割を果たすのは、自覚しにくい「バランス感覚(前庭覚)」「筋肉や関節の運動に関する感覚(固有覚)」「触覚」の3つの感覚です。

 茂木さんによると、じっとしていられない、椅子をガタガタ揺らす、といった落ち着きのない行動が見られる子は、「バランス感覚(前庭覚)」や「筋肉や関節の運動に関する感覚(固有覚)」の発達が足りていないため、体により強い刺激を取り入れることで、「心地よい」と感じている可能性があり、「トランポリンやハンモック、ブランコなどの大きな揺れが感じられる遊びがおすすめです」。おうちでは、食卓の椅子をバランスボールに替えたり、回転椅子に座らせて回してあげたり、お布団の上をゴロゴロ回転する、毛布に子どもを乗せて引っ張る、などの遊びも考えられるといいます。

 洋服など特定の肌触りのものに執着して、それしか着たがらない子もいます。「こうした子は、『触覚』の発達が足りていないか、触覚過敏と考えられます」。触覚の発達を促すには、子どもが心地いいと感じる程度の柔らかいブラシやスポンジで手や足の皮膚をなでてあげたり、砂場遊び、水遊び、小麦粉粘土やスライムなどの触感を感じられる遊びを取り入れるといいそうです。

 他にも、友達を強くたたいたり、押したりしてしまうような子は、力の加減がうまくつかめていない可能性があります。相撲ごっこや木登りのほか、走ったり止まったりを繰り返す「だるまさんがころんだ」、ツイスターなどの筋肉や関節の感覚を十分に使う遊びが有効です。

 爪や鉛筆、洋服などをかんでしまう子の場合、口の中の感覚の発達が不足しているために、刺激を得ようとしていると考えられます。シリコン製の「チューイー・チューブ」といったグッズなどを用意して、まずは好きなだけかめるようにして口内に必要な刺激を与えてあげましょう。

 茂木さんは、遊びながら「固有覚」「前庭覚」「触覚」をつなげ、適切な行動ができるよう導く「感覚統合」という理論をベースにして、発達に課題のある子どもへのアドバイスを行っています。

 「『感覚統合』の理論ですべてが解決するわけではありませんが、こういう方法もあると知っておくことで、子育てがぐんと楽になります」と茂木さん。「子どもが困った行動をしているな、と思ったら、その裏に何の問題が隠れているかを考え、未発達な感覚を補う遊びを取り入れて」

 幼少期にさまざまな遊びを体験することで、感覚のネットワークが無尽に作られ、それらがうまくつながることで、「ボールを指示された場所に投げる」「コップから水をこぼさずに飲む」といった行動ができるようになるそうです。また、脳は楽しいと感じる状態のときに最も発達が促されるため、「幼少期に楽しく遊んで感覚を育てることが一番大切」だといいます。

 「困った行動」に対し、大人から怒られたり、禁止されたりし続けることで子どもが自信を失い、不登校になったり、引きこもりになったりする「二次障害」につながるケースも見られるそう。茂木さんは「子どもと関わるすべての人に感覚の問題を知ってもらい、子どもたちへの適切な支援につなげてほしい」と話しています。

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参考文献:子どもの「困った行動」には理由がある 知っておきたい「3つの感覚」 家でできる発達支援
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(ABC豆)