思春期という、種としての戦略を可能にした「共同繁殖」の社会

人類特有の思春期という状態。これを種として成立させられる前提として、生殖過程(子育て)を、集団で、多世代共同で行うことが欠かせないようです。

なぜなら、人類の女性は、脳が成熟し完成する前に繁殖力(産む力)のピークを迎えるように出来ているからです。

以下、リンク「なぜ脳と体の成長に時間差が? 人間の一生に戦略あり」より引用させていただきます。

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■人間は「共同繁殖」の社会

――人間について、どんなことが分かってきたのでしょうか。

「数年前まで、人間の思春期の研究に関わっていました。人類にとってこんなに長くて難しい時期があるということの意味は何か、ということですね。今はもっと若手の研究者が続けていますが、私が興味あるのは生活史戦略です。生まれてから死ぬまで、人間のライフヒストリーがどういうふうにつくられているかということですね」

チンパンジーでは、赤ちゃんの成長と母親の関係をテーマに研究していました。チンパンジーのメスは長ければ50歳まで生きますが、自分が生まれて離乳するまでに5年かかって、子供期が7歳ぐらいまであり、10歳ぐらいで性成熟した後、死んでしまうまで子供を産み続けます。最後の子は、まさに母とともに共倒れします。人間とは違って、更年期はないんですね。そんなふうに、動物ごとに、いつ成長が止まり生み終わるのか、その時間配分がどう違うのかをみてきたんです」

――それを人間にも応用してみたということですか。

「私が関わっているプロジェクトでは、東京都の10歳の子供3800人の追跡調査を始め、その子たちが今は16歳になっています。他のプロジェクトの進展もあり、いろいろなことがみえてきつつあります。どうやら脳で、前頭葉と他の領域をつなぐような配線が完成するのは30歳ぐらいだということが分かってきました。一方で、体は11歳ごろに性成熟が始まり、女性は16歳ごろには子供が産めるようになり、20~22歳で繁殖力のピークを迎えます。脳が完成する前に繁殖力のピークがきて、その後は急速に繁殖力が落ちて100歳まで生きるわけですね」

「男性の場合、全身の筋肉がきちんと力を発揮できるピークが30歳ごろで、かつての狩りの生活を想定すると知識や技術もそろって生産性がピークになるのは45歳ですね。人間というのは、親になった父母だけで子供を育てるのではなく、周りからの知恵や助けがあって成立する『共同繁殖』の社会だという証拠だと思います」

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(引用おわり)

 

中川翔子