最近の子がやる前から「無理」「やらない」という理由とは

リンク

***

自立とは、自分のことを自分でできるのはもちろん、自分がやりたいことを自分で見つけ、それを実現するために試行錯誤しながら探求できることです。

■「自由にしていいよ」と言われると思考がフリーズする現代の子どもたち
ひと昔前の子どもたちは、近所の公園でかくれんぼや鬼ごっこ、木登りなどを子どもたちだけで遊んでいました。その中で熱中したり、喜んだり、ケガという失敗をたくさんしながら、体力や創造性、判断力、社会性を育くんできたものです。

ですが、現代の子どもたちはゲームなど室内で遊びが中心で、外で走り回る時間はぐっと減っています。
自宅のみならず、幼稚園や保育園で他の子とのかかわりをみて気づくパターンもあるようですが、体力以外に遊び方にも課題があるようです。

「今の子どもたちはまず体力がないです。保育園や幼稚園の園庭での遊び方も画一的。提案された遊び方は上手にできるけれど、自分で遊び方を考えるということをしたことがないんですよね」と西脇さんは現在の子どもたちの様子をこう話します。

例えば、いくつかの輪っかで遊ぶ時。順番にこの飛び方で輪っかを飛んでいこう、と言われたことは楽しんでできます。けれど、輪っかを使って自由に遊んでいいよ、となると身体が止まってしまう。この輪っかは片足で、こちらは両足でジャンプしようなどと、遊び方を想像することができません。

(中略)

■昔と今では子どもを取り巻く環境がこんなに違う
先述したように、昔と今では子どもたちの外遊びや様々な環境が異なっています。

・外遊び
【昔】
ごっこ、木登り等の外遊びが中心。
グループ(年齢、性別の違った仲間)遊びの中で喜び、熱中、成功、失敗が原動力となって、からだ、精神、創造性、判断力、社会性が育てられました。大人の出る幕はありませんでした。

【今】
テレビ、ビデオ、コンピュータゲーム等の室内でかつ少人数(同性、同年齢)での遊びが台頭。リセットして何度も繰り返すことのできるゲームには悔しさや痛みを感じる場面がありません。時間や内容も大人がコントロールしなければなりません。

・強制されない自由なスポーツの減少
【昔】
こどもたちが空き地や広場でボールを蹴ったり野球をしたりしていました。そこでは強制されることなくのびのびと自由にスポーツを楽しんでいました。

【今】
空き地や広場の減少と、交通事情の変化にともなって、自由な遊びの延長であるスポーツからクラブでプログラム化されたスポーツに変わってきました。

・他人への無関心
【昔】
社会的意識が高く、年代を超えた交流やつながりがありました。学校の先生も責任持って、こどもに厳しく規律やモラルを指導する環境がありました。

【今】
注意したり、叱ったりする人が特別視され、他人のこどもに無関心な大人が増えてきました。規律やモラルを指導する場が減り、学校の先生も厳しく接することが難しくなってきました。

・家庭環境の変化 しつけの低下
【昔】
兄弟も多く、縦の組織がはっきりした大家族でした。全員での食事の機会を通じて、家庭内でも日常的に競争や協調が必要とされていました。また親の責任やこどもに対する要求も多く求められていました。

【今】
少子化によって、兄弟が少なく、個室が与えられる等、家族の間での刺激が少なくなりました。一人のこどもに対する親の期待が大きかったり、自分の基準でこどもに接するため過保護になったり、逆に放任になってしまうケースも出てきました。

 
(中略)
 

■やる前から「無理」「やらない」という理由
親をはじめ、先生やコーチたちも「できたね~」「あ~、○○が出来たらよかったのに」など結果や成果、順位で判断することが多いため、子どもは目の前の課題を見て出来そうじゃないと感じると自分から「やらない」「挑戦しない」という選択をしてしまうのだそうです。また、大人の手が足りすぎていると失敗を恐れることが多いのだとも。

わが子に頑張ってほしい、挑戦してほしいと思っているのに、声かけで挑戦する意欲を削いでしまっている、それどころか挑戦が怖いと思わせているのは非常に残念なことですよね。

大切なのは結果ではなく、やろうとする過程です。やろうとする素振り、やろうかなという言葉を聞いたら「いいところに気が付いたね」とやろうとしていることを褒めると良いです。

そして思い切って取り組んだら、結果はどうあれ「ナイストライ」「ナイスチャレンジ」と声かけをしてあげて、と語ります。そういった事を繰り返し子どもの背中を押してあげることで、それまで無理と言っていた子がびっくりするぐらいチャレンジするようになるのだそうです。親御さんはわが子の不安を取り除いて、安心してチャレンジできるようにしてあげてください。

(中略) 


■協調性や思いやりを育むためには親子のかかわりが大事
子どもが失敗しても怖くない環境を作ってあげることが大事

そして子どもが「あのね」と話し出したら、遊ぶことや家事などから手を止めて話を聞いてあげて「そう思ったんだね」と受け止めることが大事だと言います。忙しい中毎回そんなの無理、という親御さんもいると思いますが、できるだけ子どもの話しに耳を傾け、しっかり聞いている態度を示してあげてください。

協調性や思いやりは親子の関わりが多く子どもの心が満たされれば自然と育まれるもので、そのために親がストレスを抱えては良くないと西脇さんは指摘します。親がストレスをためると、子どもの些細な事が気になってガミガミ言ってしまったりと、しわ寄せが子どもにいってしまうことがあるので、周囲の人に協力を求め、親も積極的に気分転換をしてほしいとアドバイスを送ります。ストレスを軽減して子どもと1対1で向かい合う時間を作ることが大切です。

子どもが一歩踏み出すためには、子どもと向き合い、十分に安心させてあげること、失敗することが怖くない安心環境を作ってあげることが大事です。

十二分に子どもの面倒を見る親が「良い親」とみなされる風潮があるようですが、いつまで親が子供の世話をするのが良いのでしょうか? できれば徐々に自立してくれると、親も子も自分の時間を楽しむことができるようになります。子どものやる気を見つけてたくさん「ナイストライ」「ナイスチャレンジ」と声をかけてあげてください。

***

 

(直永亮明)