生活する上で重要な「感覚統合」の獲得。ヒントは遊びの中身にあり!

感覚統合とは?
自分の体を使ったり、道具を使ったり、人とコミュニケーションを取ったり…私たちは、無意識のうちに周りの環境とうまくかかわっています。これは脳に入ってくるいろいろな感覚を、うまく整理したりまとめたりすること→感覚統合がうまくいっているためです。

感覚の中には、みなさんによく知られている五感(味覚、嗅覚、視覚、聴覚、触覚)のほかに固有需要覚、前庭感覚というものがあります。

※固有需要覚とは・・・筋肉、腱、関節などで感じます。手足の位置や運動の様子、物の重さなどの情報を脳に伝え、姿勢を保持したり、体をスムーズに動かすために働きます。

※前庭感覚とは・・・耳の奥の前庭器官で感じます。平衡感覚ともいわれ、頭の傾きや動き、スピード、重力を脳に伝えます。目の動きに関連する働きもあります。

実際のところ、総合的な運動や行動に重要な役割を果たすのは、自覚しにくい「バランス感覚(前庭覚)」「筋肉や関節の運動に関する感覚(固有覚)」「触覚」の3つの感覚です。

椅子をガタガタ揺らす、爪や洋服をかんでしまう、特定の洋服しか着たがらない…。子どものこんな「困った行動」に、ついイライラして、「やめなさい!」と怒鳴ってしまうことはありませんか。実はこうした行動には、脳の発達の問題が潜んでいることがあります。

そのことに大きく影響を与えているのが、自覚しにくい3つの感覚なのです。

○じっとできない、椅子をガタガタ
じっとしていられない、椅子をガタガタ揺らす、といった落ち着きのない行動が見られる子は、「バランス感覚(前庭覚)」や「筋肉や関節の運動に関する感覚(固有覚)」の発達が足りていないため、体により強い刺激を取り入れることで、「心地よい」と感じている可能性

○特定の肌触りの洋服に執着する
洋服など特定の肌触りのものに執着して、それしか着たがらない子もいます。「こうした子は、『触覚』の発達が足りていないか、触覚過敏と考えられます」。

○友達を強くたたいたり、押したり
他にも、友達を強くたたいたり、押したりしてしまうような子は、力の加減がうまくつかめていない可能性があります。

○爪や鉛筆、洋服をかんでしまう
爪や鉛筆、洋服などをかんでしまう子の場合、口の中の感覚の発達が不足しているために、刺激を得ようとしていると考えられます。

こうした症状を持つ子供たちが、進学するにつれて、障がい児としての扱いを受けているのです。

◆ではどのようにして改善していくのか、幼少期にどんな経験を積めばよいのか
○触覚:過敏→スライム遊びなどで本人が好まない感覚は直接行わない。その場合、スライムにシェイビングクリームやつぶつぶなどを入れて触感を変える事で、ハードルを下げるなどの工夫をする。圧刺激を一緒に入れてあげる事で触覚の感覚が緩和される事もあるので、お風呂で柔らかい垢擦りタオルで擦ってあげるなどもアプローチとしてあります。鈍麻→泥んこ遊びやボディーぺインティング、カラーボールプールなど。

○固有感覚(過敏は殆どないので鈍麻のみ紹介):鈍麻→綱引きで思いっきり力を使った後に、お皿の上にボールを乗せて落とさない様に歩く遊びなど。力の100%を知って、その後に力の調整を知る事が大事

○前庭覚:過敏→スキンシップを入れ安心感を与えながら、一緒にゆっくりブランコに乗ってあげるなど。鈍麻→ブランコやトランポリン、滑り台など。

自閉スペクトラム症の感覚過敏は幼少期から6~9歳まで増加し、9歳以降で減少する傾向にあるというデータがあります。感覚過敏に対し無理に慣れさせる事は子供自身にとって恐怖にしかならない場合があるので、環境調整(嫌な感覚から回避させあげる事)が主なアプローチとなります。

このように幼少期の遊びの中で、「触覚」「固有覚」「前庭覚」の3つを意識して、刺激する活動を日々取り入れていくことは発達を促すうえでも大事なポイントとなります。

参考・引用
①感覚統合療法
リンク

②子どもの「困った行動」には理由がある 知っておきたい「3つの感覚」 家でできる発達支援
リンク

③【感覚統合理論】で『遊び』を最大の『学び』場へリンク

 

(今村達哉)