無駄な力を抜く方法~全体で受け容れる~

ただ力を入れて頑張るだけでは自他の対立が起きるだけ。かといって力を抜くだけでは相手の力に押し流される。

あらゆる物事で、“受け容れる”ということが大切なのだと考えさせられます。

また、“受け容れる”ということは、単に相手の言いなりになることでも支配されることでもない、子育てでも何ででも、しっかりとからだ全体で受け止めること、意識したいです。

子ども遊び研究家 篠先生の『「緩めるということは力を抜くことではありません」(頑張ることをやめる)』( リンク )より引用します。

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(引用開始)

「からだを緩める」ということは単に「力を抜く」ということではありません。

確かにからだを緩めてもらうときに「もっと力を抜いて下さい」という言い方はします。私もそういう言い方をします。でも、ただ単純に力を抜くだけでは動けなくなってしまいます。立ってもいられません。

じゃあどういうことなのかというと、「力を抜いて下さい」という言葉の正確な意味は、「無駄な力を抜いて下さい」ということなんです。「無駄な」という言葉を省略して「力を抜いて下さい」と言っているだけなんです。当然、「必要な力」は抜いてはいけないのです。

でも、全部抜いたり、全部入れたりするのは簡単なんですが、「必要な力」は入れて「必要ではない力」は入れないようにすることが出来るようになるためには、自分のからだの状態を感じることが出来るようになる必要があります。
自分のからだの状態を感じることが出来ないとこういうことは出来ないのです。だから「緩める」ということが難しいのです。

ちなみに全部力が抜けている状態は「弛緩」という状態です。弛緩してしまったら動けなくなります。

(中略)

昔、太極拳を習っていたとき、「馬歩」(マーブー)という空気椅子のような中腰で立つ練習をよくさせられました。

中腰で立っているわけですから当然足には力が入っていますよね。足の力を抜いたら倒れてしまいますから。それなのに「もっと力を抜け」と言われるのです。

中腰で立っていると足がきついですからそれを我慢しようとします。そして我慢しようとすると上半身も固まります。背中も肩も首も固まります。立つのに必要な足以外の部分まで固まってしまうのです。

それで「もっと力を抜け」、「頑張るな」、「笑え」と言われました。そこまでは分かります、でも、立っている足の力までも抜けというのです。

これが分からなかったです。

「頑張るな」と言われたから「止めてもいいのかな」と思って立ち上がって「止めるな」と叱られたこともあります。
中腰で立ったままの状態で足の力を抜き、さらに頑張ってもいけないのです。
当時の私にとってはこれは意味不明な世界でした。

(中略)

実はこれは子育てでも同じなんです。「子育てを頑張らないで」という言葉の意味は、「子育てを止めてもいいですよ」とか「育児放棄していいよ」と言うことではありませんよね。

「子育てを頑張らないで」という言葉の意味は、「もっと子育てを楽しんで下さい」とか「もっと子育てを楽しむ工夫をして下さい」ということなんです。

重さをからだ全体で味わうようにすれば肩の無駄な力は抜けるのです。それが力を抜くと言うことであり、緩めるということなんです。
子育てで言えば「自分一人で頑張らない」ということです。

子育てを子どもと一緒に、夫婦で一緒に、仲間と一緒にやるようにすれば無駄な力が抜けて緩むのです。

ただ力を入れて頑張るだけでは自他の対立が起きるだけです。するとバトルが起きます。 
かといって力を抜くだけでは相手の力に押し流されてしまいます。

そうではなく、一度相手を受け入れてしまうのです。ただし、「子どもを受け入れる」と言うことは、子どもの言いなりになることでも、支配されることでもありません。ちゃんとからだ全体で受け止めてあげるということです。
それは、お母さんと子どもの関係を変えるということです。

またからだの話に戻りますが、自分のからだを緩めるためには、自分のからだを自分の意識でチェックして、固くなっている所があったら呼吸と意識の働きを使って柔らかくしてあげて下さい。その部分を感じ、温かい気持ちを送りながらゆっくりと動かしてあげると柔らかくなります。
冷たく感じる所があったら温かい気持ちと呼吸を送って温めてあげて下さい。

ただ単純に力を抜くのではなく、力を入れたままの状態で筋肉を柔らかくするのです。筋肉を固めて動くのではなく、筋肉を柔らかくした状態のままで動くのです。すると力が分散するのです。それが「緩める」ということです。

今の所の私の理解では、と言うことですけど。

(引用終了)
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(空野晴美)