RE:育児と仕事の両立

>「育児と仕事とは『両立』という言葉でくくられるものではない」。
育児と仕事とは、次元の違う存在です。子どもは、自分の母や父にとって最優先の存在であると思う時、初めて安定するのです。

 そうでしょうか。私は、幼児期以降の子育てについては、仕事を通じて子供を育てるものである、と考えます。

 乳児期については、人として不十分な状態で産み落とされたものが人になるまでの時期として位置付けられ、徹底した母親のスキンシップが必要です。この時期は、母親が常に子を抱いておく必要があり、炊事程度の仕事しかできません。この時期の課題は、母親の子供への安心できる愛情の注ぎ方となるのでしょう。

 幼児期以降については、既に人の原形として成長した子供に対し一人前の人間への離陸期として見ることが出来ます。子供集団の中での遊びを通じて、時には生産の場の役割も担いながら、生き方を学ばせるべきです。母親の手から出来る限り離し、自立を促してやらなければなりません。母親の価値観の過度な注入や子供社会への干渉は、子供の自立意識の形成や工夫志向の獲得に対し束縛を与えるものにしかなりません。「幼い子供は頼りないから面倒を見る」と言うのではなく、「幼い子供を如何にして早く頼りがいのある子にするか」、と言う視点が重要だと思います。

 その意味で、この時期の子供にも出来る限り何らかの役割を与え、皆でその成果を評価してやることが必要です。このような環境に置かれたときに始めて子供は、安心するのでしょう。一人の母親の価値観から開放する為にも、多くの目を感じ安心感を与えさせる為にも、集団保育は効果的だと思われます。さらにそこでの母親は、何らかの仕事をする必要があります。自分の父や母にだけに見られているときよりも、子供の安心感は高いと思いますがどうでしょうか。


木橋哲夫