子育ての事業化の事例:企業組合オフィス21

子育ての事業化の事例
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平成6年、福岡県糟屋郡志免町の女性メンバー6名が共同出資し、任意グループとして子育て支援事業を開始。平成9年「企業組合」として法人化。
“みんなで運営していく”経営を通じて、試行錯誤しながら様々な困難を克服し、地域に根ざした子育て支援事業を軌道に乗せてきた組織。

以下、紹介記事からの引用(※抜粋)
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設立のきっかけとなったのは、平成5年、女性の社会的自立の支援を目的として(財)女性労働協会が主催の「保育サービス講座」。「せっかく色々と勉強をしたのだから何か形にしましょう!」と事業化への提案が行なわれ、メンバー6名が一人25万円計150万円を出資し、平成6年7月に任意グループとして活動を開始。3LDKのマンションの一室からのスタートでした。
「起業した当初は知名度も全く無かったので、子供を預けに来てくれる親はなかなか現れずに、売上から必要経費を差し引き、残りの中から報酬を捻出すると、時給に換算すると100円くらい!という時が半年くらいは続きました」
「わたしたちメンバー全員、ビジネスとしては素人でしたから(笑)。私自身、子どもが1歳と子育て真っ最中で、子育てもしたいし、仕事もしたいという気持ちで参加していましたし、メンバーみんな“出来る範囲で出来ることをやろう”と…」

「方向性や具体的な方法など全てにおいて、参加メンバーで話し合って決めてきました。人はただでさえそれぞれ考え方が違うものですが、メンバーが20代から50代と幅広い年齢層で構成されていたこともあり、働くことに対する考え方や、育児に対しての考え方がバラバラで、話がかみ合わないということも多々ありました」

任意団体として3年間、順調に活動を軌道に乗せたのち、経営基盤をしっかりするため法人化を。事業形態として、経営にみんなが参加できる「企業組合」を選択しました。「確かに、設立当初から “みんなで運営していく”ことの難しさは痛切に感じていました。でも、結果として、みんなで運営してきたからこそ、良くしていこうという雰囲気が生まれ、うちならではの温かい保育というものが出来てきたのだと思っています」

「ビジネスとしては素人ですが、子育ての経験はプロ(笑)。“こうなければならない”という枠にはまることなく、自分たちの子育て経験を活かして、アットホームな託児所を作り上げていくことが出来ました」

「日常のすべてがよかった! 子どもの笑顔。そして、来てくださったママたちが、うちを利用する中で、だんだん元気になっていくということがありますと、あ~、お役に立てて良かったなと心の底から思います。自分たちの手で作り上げていっているという実感、人との出会いの素晴らしさを日々体で感じています」
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現在、子育ての悩みを抱えている人は多い。子育ての見通しが立たず、将来の不安を覚えている人も多い。また、社会参加・仕事と子育ての狭間で葛藤している人も多いはず。
であれば、素人が集まって子育てを共同で事業化してゆくという方向は、ひとつの突破口になると思う。子育ての閉塞を突破し、同時に仲間と共に自らが働く場をつくってゆくことができる。自ら供給者となることが、活力上昇につながる。

また、これまで国や自治体が行ってきた子育て支援政策も根本的な見直しが必要だと感じた。これまでの政策は、保育サービスの充実、児童手当の給付や減税、育児休暇取得の推進といった、いずれも需要発の発想である。これでは子育て不安、社会参加との綱引きは解消されないし、利用者は都合の良い要求主義に陥りがち。行政に求められるのは供給者の育成・支援ではないか。

今、求められているのはまさに、「需要発から供給発へ(79426)」の発想の転換




岩井裕介