自分を女だと認識する就職活動

 

「自分を女だと認識する就職活動」とは就職差別の話ではない。

>女子学生向けの合同会社説明会に足を運んだときのことです。(中略)
会場で耳をダンボにしていると、聞こえてくるのは…
「育児休暇制度の取得率はどのくらいですか」
「会社に託児所はありますか」
「週に何回家族とご飯を食べられるのでしょうか」
…という声のほうが「仕事の内容」を聞く声よりもずっと多いように思えます<
リンク

確かに、この1,2年このような質問が増えているようだ。

彼女たちは就職活動期に仕事のみならず、結婚や育児を考えはじめる。仕事意識は高く、生涯同じ職場で働こうと考えている学生に見られる傾向だ。

家庭や子育てといった生殖課題に対する不安が仕事よりも強く、しかもこの時期に顕在化するのは生殖課題を社会的な役割として捉え始めたからではなかろうか。

進学や恋愛といった個人課題として捉え多くの時間を費やしてきた彼女たちではあるが、環境問題をはじめとした社会意識も高い。企業選びは社会貢献を選択基準とするなど明らかに社会的な役割を求めている。しかしながら一方で社会活動は企業、生殖課題は家庭と、「分断された場」と「立脚点としての個人」の枠から離れられない。結果としてその選択基準から「社会」は胡散霧消し、制度や条件など「自分」の権利を求め、安定志向、親元~家族収束へと絡み取られてしまう。企業と個人の関係では「場」や「時間」の提供はできても本質的な子育て不安を解決することはできない。

女が安心して社会に出るためには、女としての役割(=性的役割)が社会的役割として共認されることが不可欠である。就職活動ではじめて女を意識するのなら、「女」が「社会的存在」であることを考えて欲しい。るいネットはその課題を真剣に考える場として十分に成り立っているから。

 

 

辻一洋