「母育所」は新しい可能性になりうるか

5月11日の毎日新聞の一面に、次のような記事が載っていた。

---------------------------------------------------
新米ママに母育所 大阪のNPO、知恵伝授

 母親の育児力を養おうと、大阪市西区NPO法人たまごママネットが8月、出産や育児に必要な知識を無料で伝授する「母育所」を東大阪市内に開く。近くで経営する保育所と連携し、妊娠段階から新米ママの子育てを支援する。法人の新井一令理事長(60)は「完ぺきを目指さず、子を見守る姿勢を大事に」と呼び掛けている。

 育児力の低下は、核家族化で祖父母が育児を指導できなくなったことが主因とされる。子育て中の母親を支援している新井理事長は、インターネットや各地での育児相談で「親になりきれない」との思いを抱く母親が多いことに気づき、「母育て」を思い立った。

 母育所は、法人が東大阪市菱屋西で経営している認可外保育施設「ポポくらぶ」近くの産婦人科病院内にオープン。月2回程度で、小児科やアレルギー科、産科の医師や保育士、栄養士らを講師に呼ぶ。触れ合いを深めるためのベビーマッサージや、はしの持ち方教室も。緊急な相談にも応じられるよう、講師は、大阪近郊在住者の中から選ぶ予定だ。

 妊婦、母親のほか結婚前の男女ら50人程度を募集する見込み。問い合わせはたまごママネット(06・6446・1108)。【古屋敷尚子】

毎日新聞 2008年5月11日 大阪朝刊 リンク
---------------------------------------------------

近年、子育てを担う母親自体の劣化が激しい。「母育所」という試み自体はおもしろいが、ついにそんなものまでまで必要になったか…というのが実感である。

しかし、子育てをする自分自身に何らかの問題を感じ、そのような会合に参加しようという層はまだマシなのかもしれない。

本当に問題のある母親は、自身が問題をかかえているという自覚が極めて貧弱な人に多いのだ。

根底には、自身の孤独→共認非充足→不安がある。その不安の強さゆえに、自身の思い込み(価値観念)に強く収束して、周りの言葉に耳を貸さなくなるのである。

身近なデキる別の子供と比較をし、ひたすら「できていない」我が子を叱咤する。ダメ出しされ評価されない子どもは、萎縮して表面上反抗はしない「イイ子ちゃん」かもしれないが、母親との関係で充足が得られない不全は高まり続ける。こうして、彼らが次世代の「壊れた親」になっていくのである。

自身の問題を自覚していないような母親を、「母育所」でも何でもいいが、そのようなコミュニティの中で共認充足・社会性を再生させる場に半強制的に所属させるような制度を作っていく必要があるのではないかという気がしている。

最も問題の深刻な層は、放っておかれても、不安ゆえに否定されることに対して過剰に警戒して、そのようなコミュニティに入っていかない傾向が強いし、そうなると、孤独→共認非充足→不安のループは断ち切る事ができず、ますます不健全な精神を持つ子どもを増やしてしまうからである。

今この瞬間にも、精神の壊れかけた子どもは量産され続けている。プライバシー観念など打ち破って、母親たちの共同体を再生させていくことは、何よりも喫緊の課題なのではないだろうか。

 

tanvool