愛情不足な子供が親に示すサインとは?②

①の続きです。

■世間が“愛情不足”に警鐘を鳴らすワケ
このように、愛情の不足は子どもの成長に多大な影響を与えますが、具体的にはどのようなリスクがあるのでしょうか。
人間は、通常3歳までに性格の基盤が作られると言われていますが、この時期に親から愛情を受けなかった子どもは、自分自身を愛せなくなります。自分を愛せない人は、自身に強い劣等感を抱くようになり、周囲を“仲間”ではなく“敵”とみなし、常に競争の恐怖にさらされると言われています。
そうした余裕のない精神状態で過ごしていると、自己愛性人格障害アダルトチルドレンなどに陥ったり、他者や自分を傷つけるようになり、社会で生きづらい人格へと育ってしまうのです。
さらに、虐待や愛情が不足しているような家庭で育った人は、自分の子にも同じように接する傾向があるとされているため、孫やひ孫の世代まで連鎖してしまう恐れもあります。
このような数あるリスクから、愛情不足は危険であり、子育てには十分な愛情を注ぐことが大切だと言われているのです。

■愛情不足のまま大人になった人の特徴
愛情不足のまま育った人には、共通してみられる特徴があるとされています。
たとえば、両親から愛情を十分にもらえなかった人は極端に“ナルシスト”になったり、逆に自己批判ばかりする性格になる傾向があるとされています。また、愛情をうまくコントロールできず、だれかれ構わず深い関係を求めてきたり、「この人がいないと生きられない」といった強烈な依存を見せるケースも多いそうです。以下では、愛情不足で育った人が陥りがちな病気を2つご紹介します。

・愛情遮断障害
これは、子どもが親の愛情を十分に受けられずに育つことで起こる病気で、乳幼児に多くみられます。症状としては、栄養障害による身長や体重の未発達、手足が細いなどの身体的特徴のほかに、表情がとぼしい、頻繁にかんしゃくを起こす、ハグを嫌がるなどの精神的特徴も見られます。
主に親が精神病や知的障害を患っていることが原因で起こるとされ、子どもに十分な栄養と愛情を与えて回復を図るほか、親自身の治療も大切な療養過程となります。

アダルトチルドレン
主に家族としての機能を失った“機能不全家族”で育った人に見られる症状です。正確には“アダルトチルドレン”という病名は存在しませんが、こうした環境で育った人には共通した特徴があるため、名付けられました。
アダルトチルドレンの特徴としては、とにかくマイナス思考で他人のことを過大評価し、自分のことは過小評価することが挙げられます。また、責任感が人一倍強いがために自己の正当化も激しいとされ、物事を極端に解釈する傾向もあるようです。

■子どものこんな特徴に注意!
愛情を十分に感じられていない子どもは、さまざまなことでそのサインを出すようになります。
・甘えてくる
これは子どもにありがちなことなので、心配ありませんが、やたらと抱っこを求めてきたり、かまってほしいアピールを繰り返すのはもっと愛情がほしい証拠です。
何度も「抱っこして?」とせがまれると面倒なこともあると思いますが、少しの時間でもいいので子どもと向き合う時間を作ってあげましょう。

・悪さやイタズラをしてくる
たとえば、ママの大切な物をどこかに隠したり、わざと部屋を散らかしたりといった行動を取るのも、愛情不足に起因していると言われています。
「ママはいつも自分をないがしろにする」と感じると、わざと困らせてママの注意を引くわけですね。この場合も、ある程度のことは頭ごなしに叱るのではなく、受け入れて優しく諭してあげるようにしましょう。

・“爪かみ”などのクセが現れる
爪や唇をかんだり、指をしゃぶったりといったクセが出てくるようになったら、愛情があまり子どもに伝わっていない可能性があります。爪かみや指しゃぶりはストレスや不安から起こると言われているため、ママの愛情を求めていることが多いです。
行動だけでなく、具体的なクセの症状が出てきたら接し方を見直してみるのもいいでしょう。

・表情がない
このケースは、比較的深刻な愛情不足に陥っている場合が多いと言われています。
幼児期に構ってもらえなかったり、虐待を受けたりした子は感情が乏しくなる傾向にあるため、要注意です。ただし、個性として表情をあまり変えない子どももいるので、まずは焦らずに様子を見るようにしましょう。

■思春期になると“グレる”or“ひきこもり”になる!?
愛情不足で育った子どもが思春期を迎えると、幼児期とは違ったサインを出すようになります。
例えば、喫煙や飲酒、夜遊びなどの不良行為や同級生をいじめたり、家庭内で暴力をふるうなどの行動をとるケースもあります。
自分の子どもがこういった行動を取った場合、「まあ反抗期だから」と放置せずに、愛情不足が原因となっている可能性も見るようにしましょう。
また、逆にストレスや不安を外に出すのではなく、内に閉じ込めてしまう子どももいます。
そういった子どもは不登校やひきこもりになったり、周囲とうまくコミュニケーションを取れなくなります。さらに、自分の感情を主張しないことで、いじめの標的にされることもあります。

 

 

前田重男