LINEで子どもがバカになる!?(2)

yahooニュース リンク より、以下転載 続きです
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■絵文字がすべてをダメにする
 そんなことを考えていると、子どもたちの日本語に異変が起きているその原因が見る見るうちに浮かび上がってきた。LINEをはじめとしたSNSの隆盛、家族形態や住環境の変化、英語教育の早期化など……。

 そして、それらを調べていくうちに、現代は子どもたちの使用する日本語を崩壊させる危険に満ちていることが判明したのだ。

 それらを一つひとつ紹介しつつ、いまの子どもたちに失われつつある日本語運用能力、及び、それを取り戻すための解決策を提示していきたい。

 LINEの画面を呼び出せる人はいますぐ開いてほしい。

 画面下部の入力欄に「嬉しい」と入力してみよう。すると、嬉しさを表すスタンプが約八〇個出てくる。ほかにも「悲しい」「楽しい」「可愛い」「怪しい」「寂しい」「怖い」「ヤバい」「つまらない」「怒る」「焦る」「安心」「幸せ」「むかつく」「照れる」「驚く」「困る」などのことばを入力すると、数の違いはあれどやはりその心情に対応したスタンプが自動的にあらわれる。

 しかし、次のような心情表現を文字入力するとそうはいかなくなる。

 たとえば、「疑わしい」「みっともない」「いまいましい」「愛おしい」「心地よい」「不甲斐ない」「懐かしい」「誇らしい」「切ない」「惨め」「哀れ」「不快」「滑稽」「羨む」「憤る」「感心(感嘆)する」「決心する」「動揺する」など……。どれも、日常会話で用いる基本的な心情表現と言えるだろう。だが、LINEのスタンプがあらわれることはない。

 よって、LINEのトーク機能でスタンプ、絵文字を多用している人は極めて限られたことばしか入力しないようになる。これから教養を培うはずの子どもたちがLINE漬けになっていたら、使用する心情表現が限られたことばのみになってしまうのだ。

 聞くところによると、最近の中高生の中には課題作文の中で堂々と「顔文字」「絵文字」を書き込む子どもがいるとか……。

■スタンプ依存
 当たり前の話だが、人間はことばで思考する動物だ。ことばを用いずに深く物事を考えることはできない。ことばが豊かな人は複層的な思考回路をもって物事に処することができる。逆に手持ちの語彙が貧困であれば、物事を浅いレベルでしかとらえることができなくなってしまう。

 それでも、子どもたちはスタンプの使用をやめられない。高校生の女子に聞くと、相手の問いかけに対し、否定的なことばを発しそうになる自分を制御するとき、あるいは即答できなくて、その場を取り繕おうとするとき、スタンプについ依存してしまうという。

 「だって、ことばにしてはいけない、ことばにならないときってあるじゃないですか。それで苦肉の策としてスタンプを使うんです。そう考えると、『間を持たす』働きのあるスタンプって優れていますよね」

 彼女のLINE上は、自身の、また相手のスタンプで溢れかえっている。

 古来、原始人は洞窟の中に絵を描いて、他者と意思疎通を図ろうと試みた。その後、気の遠くなるような長い時間を経て、人は文字を生み出した。

 そのように考えると、いまの子どもたちが「スタンプ漬け」になっているのは、文字以前の世界、原始人のコミュニケーションへと退行しているのではないか。このままいくと、原始人以前、つまり、子どもたちは「サル化」していくのかもしれない……。

 わたしはLINEの使用を即刻中止せよなどとののしるつもりはない。LINEとの付き合い方を誤り、それに「依存」しきってしまうと心の内までLINEに浸食されてしまうことを強く申し上げたいのである。

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(1ページ目の問いの解答)①2→1→3②3→1→2③1→3→2④2→3→1
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山上勝義