介護施設が子育て支援へ~”食”で繋ぐ新たな拠り所

地域の子どもに無料か安価で食事を提供する「子ども食堂」を介護施設
開設。厨房施設の有効活用が発想のポイント。核家族が一般的な子どもに
とっては、介護施設の老人が身近な祖父母となり、老人にとっては生きる刺激となる。有る施設を有効に活用し、新たな地域社会作りとなっている。


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介護施設で子の新たな居場所
2日午後6時、東京都町田市の介護施設、清風園のグループホームに「い
ただきます」と子どもの声が響く。認知症高齢者6人の食卓とは別のテ
ーブルを子ども6人が囲む。2歳の女子を除き、配膳された親子丼をあっ
という間に完食。2歳の子の食事の世話は入居する女性。「かわいいね」
と言いながらスプーンを子の口元に近づける。
同園は2016年6月から月2回、施設内で子ども食堂を始めた。保護者同伴
の乳幼児から中学生までが対象で料金は1人100円。午後5時から同7時
までの間、ボランティアを7人ほど配置し、食材は寄付で賄う。町田に施
設を開いて50年余り。「民生委員から、子どもの福祉でも力になってほし
いと言われたのがきっかけ」。施設長の吉田美香さんはこう話す。

2日は30人の子が参加。グループホームに入りきれない24人は隣の部屋で
食べた。「だれでもおいでと子どもに呼びかける。子の満面の笑みは認知
症ケアに役立つ」と吉田さん。グループホームで食べた小学2年生の男子
は、「最近、おばあちゃんが亡くなった。ここに来ると新しいおばあちゃ
んができた気がする」と楽しそうだ。

子どもだけで食事する「孤食」の問題や貧困家庭の子に向き合い、温かい
ごはんを提供する子ども食堂。一軒家から児童館、寺院まで開催場所の裾
野が広がる。おおむね月1回から2、3回の開催だ。介護施設もここ1、
2年、この流れに乗り始めた。毎日、大勢の高齢者に食事を作るため厨房
を完備し、栄養士や食品衛生の責任者が常駐しているのが強みだ。

有料老人ホームを大都市で展開する長谷工シニアホールディングス(東京
・港)もその一つ。16年10月から川崎市内の施設で月1回始めた。小学生
まで無料。ここには育児中の母親も訪れる。10日の夕方、お好み焼きを
賞味していた41歳の母親は、「保育士や幼稚園教諭の資格を持つ人がいる
ので、子育ての相談ができる」と話す。
同社は清風園と同様に、子どもは誰でも希望すれば受け入れる。友達と
連れ立って来てもいい。孤食や貧困家庭の子の居場所というイメージが
先行すると該当する子が足を向けにくくなるからだ。女性ボランティアは
言う。「愛情を持って接してくれる大人がいて、ごはんがあり、友達と楽
しんで過ごすだけで、子どもは変わっていくはず」
(後略)
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西田香織