家が「写真だらけ」の子が幸せに近づく理由

子どもの成長に深くかかわりのあるといわれている自己肯定感を高めるために写真を使った具体例の記事を紹介します。

以下リンクより(抜粋)

「子どもの自己肯定感を高めるにはどうしたらいいでしょうか?」

小学校の教師として、多くの子どもたちと接する中でよくわかったのは、自己肯定感の有無が子どもの成長を決定づけるということです。子どもの中には、何事においても「自分にはできない。どうせ無理だよ」「難しそう。わたしにはできないよ」と思ってしまう子がいます。反対に、「自分はできる。頑張れる」「これ面白そう。やってみたい。わたしならできる」と思える子もいます。

◇親や先生が最も優先すべきこと

後者のように自己肯定感のある子は、いろいろチャレンジして積極的にやります。壁があったとしても「できるはずだ」と思えるので、努力が続けられて、乗り越えられます。ですから、自己肯定感が持てるようにしてあげることこそ、親や先生が最も優先すべきことなのです。

しかし、その実践は簡単ではありません。毎日毎日、子どもを言葉で褒め続けようと思っても、なかなかチャンスがない、褒める材料がない、ということもあるでしょう。多少大げさであっても、褒めないよりは何かしら褒めたほうがいいですが、子どもは鋭いですから、自然な形であるに越したことはありません。また、無理に褒めようとしてもなかなか続きませんので、自己肯定感をしっかり育てていくためにも、無理なく継続していけるやり方を見つけていただくことが重要です。

では、どうすればいいか。それは写真の有効活用です。つまり、子どもが輝いている姿を写真に撮って、それをプリントアウトして目につく所に張っておくのです。
これは、以前私が訪問したある家庭で見た実践例です。その家庭では、次のような写真を張ってありました。

縄跳びを一生懸命練習している。玄関の掃除を頑張っている。問題集に真剣に取り組んでいる。レゴブロックに没頭している。すばらしい絵を描き上げた……など。子どもは、その一つひとつについてうれしそうに私に説明してくれました。縄跳びの写真は2年前のものでしたが、練習のかいあって二重跳びが初めてできたときのうれしい気持ちを、ものすごい勢いで話してくれました。

輝いている瞬間とは、好きなことに夢中になっている瞬間かもしれませんし、努力の過程や達成の瞬間かもしれません。いずれにしても、どの子にもすばらしく輝いている瞬間はたくさんあるのです。

写真を見ることで、自分のすばらしい姿、頑張っているかっこいい姿を客観的に見ることができます。「わたしってけっこういいじゃん。頑張ってるじゃん」と思えるようになるのです。そして、その写真が目につく所に張ってあれば、それを日常的に見ることができ、そのリトルサクセスを何度も思い出して、反すうすることができます。写真を見るたびに「自分はできる。頑張れる」という思いを強くしていけるのです。

◇どんな瞬間を切り取るのが効果的?

習い事やスポーツなら
ピアノの練習を頑張っている。けん玉の技の習得に熱中している。バレエの発表会で踊っている。サッカーの試合で、水泳大会で、優勝してトロフィーを持ってにっこり。習字ですばらしい作品が書けて、作品と一緒にパチリ。

お手伝いなら
玄関の掃除を頑張っている姿やお風呂洗いをしながらにっこりピースしている姿です。写真の近くに、「○○君のおかげで、毎日気持ちよくお風呂に入れるよ。ありがとう」「玄関がきれいだと気持ちがいいね」などのコメントをつけてあげると、さらに喜ぶと思います。写真を見るたびに、「自分はお手伝いを頑張っている」「みんなに役立つ仕事をするのは楽しい」という思いを強くすることでしょう。

勉強なら
問題集に真剣に取り組んでいるとか書き取りを頑張っているなどの姿です。勉強に集中している横顔のアップもいいですね。勉強に真剣に取り組む自分の知的な横顔を見ているうちに、「勉強している自分、かっこいいかも」「自分は集中して勉強できるんだ」と思えるようになるでしょう。

写真の活用は、勉強や習い事など以外の場面でも、大きな効果をもたらします。私がイチオシしたいのは、家族の仲をよくするため、愛情を感じてもらうための活用です。

◇毎日見ることによる作用

たとえば、兄弟姉妹で仲よく写っている写真もオススメです。

家族の写真もたくさん張ってください。家族みんなで仲よく一緒に写っている写真。おばあちゃんの肩をもみながらにっこり。おじいちゃんのひざに抱かれてにっこり。みんなで食卓を囲む日常の何げないスナップ。旅行先での楽しい思い出の1コマ。入学式の立て看板の前でお父さん・お母さんと一緒にパチリ。

こういう写真を見ているうちに、「わたしは家族みんなに大切にされている。愛されている。わたしもみんなのことが大好きだよ」という気持ちが育ってきます。つまり、親や家族の愛情を実感できるようになるのです。

写真を張る場所は玄関、リビング、ダイニング、トイレ、子ども部屋、廊下などです。プリントアウトするときはできるだけ大きい判型にしましょう。大きい写真のほうがインパクトも大きくなるので効果的です。そして、「これは!」と思うものは特大サイズにしましょう。

こうやっていくと、家の中が写真だらけになるかもしれませんね。何か特別な場面だけでなく、縄跳びを頑張っているとか、きょうだい同士で笑っているなど、日常的な写真も張るわけですから、たまに張り替えるにしても、それなりの数にはなるでしょう。

でも、家の壁が写真でいっぱいになっても、それはそれで割り切るというのもいいのではないでしょうか。最近はすっきりしたインテリアを好む親御さんも多いと聞きますので、そうした方には多少気になるかもしれませんが、それによって子どもによい変化があれば、親御さんにとっても大きな喜びとなるはずです。

最後に1つ注意点ですが、張っておく兄弟姉妹の写真の数が偏らないようにしてください。たとえば弟の写真が兄より少ない場合、弟は「ボクよりお兄ちゃんのほうが大切なのかな……」と感じてしまう可能性があります。子どもは、親が兄弟姉妹に公平か否かについてはかなり敏感なので、気をつけてください。


水沢奈々