中学生のやる気を引き出すには・・・「ほめる」「叱る」よりも「感心」 する

西村創・著『1分あれば中学生のやる気を引き出せる』(リンク)から引用します。

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最近、「ほめて育てる」ことがもてはやされています。確かにほめることでやる気を出す子どもは多いでしょう。ただ、「ほめる」ことにはリスクがあります。

思春期を迎えた中学生は「ほめる」という行為のウラにある作為を敏感に感じ取るからです。ほめることで、やる気を出させようとしている親の狙いに気づくわけです。すると子どもは、やる気を出すどころか、反発してくることさえあるでしょう。

また、少しでも大人に見られたい年頃の中学生は、ほめられることが子ども扱いされているようで、不快に感じることもあります。ほめることは意外と難しいのです。

一方、「叱る」ことはどうでしょうか。感情的に「怒る」のではなく、冷静に「叱る」「諭す」のが大事だということがよく言われます。本当にそうでしょうか。

本当に怒っているときは冷静に伝えるよりも、とにかく「ダメなものはダメだ」という怒りの感情をぶつけないことには、親の気持ちが子どもに伝わりません。

私は生徒が宿題をやってこなかったり、授業中に集中力を欠いたりしていても、怒りません。それは別に「悪」ではないからです。でも、他人が嫌がることをわざとした生徒には本気で怒ります。怒鳴るわけではありません。

でも、怒りの感情を隠さず、その生徒の目を見据えながら説教します。そうでないとその生徒の言動が本当に悪いことだということが伝わらないからです。
怒ってばかりだと、ただの短気になってしまいます。ただ、ここぞというときに怒ることは必要です。

★さて、それでは子どものやる気を引き出すにはどうすればよいのでしょうか。

それは、「感心する」ことです。感心していることを、子どもに聞こえる独り言として発するのです。私は、今までできなかったことができるようになった生徒を前に、「そういうところすごいよなあ」とか、「思った以上に伸びるのが早いなあ」という独り言をよく言います。独り言なので、生徒は反発のしようがありません。

もちろん、「この先生、そんなこと言ってやる気を出させようとしているな」と勘繰る生徒もいるでしょう。ただ、生徒にとっては面と向かってほめられるよりも、相手が勝手に感心しているだけなので、ほめられるより自然だし、作意を感じません。

「感心する」ことは、子ども扱いする印象も与えません。「一瞬で子どものやる気を引き出す魔法の言葉」と言ったら大げさでしょうか。ただ、感心するには、それに値する美点である必要があります。そうでないと、取ってつけたような表面的な言葉になってしまいます。それでは、子どもに響きません。

目立たないけれど、じつはスゴいこと。他の人は気づかないかもしれない。でも、親である自分だからこそ気づいた点。そんな点に感心して、言葉に出せたときの効果は絶大です。

子どものやる気を引き出すだけでなく、「わかってくれている」という信頼にもつながります。そんな美点を見つけるには日ごろから、「感心」できるところを探せるように、子どもへの「関心」を高めることです。「関心」を高めて「感心」するのです。

監視したり、根掘り葉掘り聞き出したりするのではありません。日常生活のなかで、子どもへのアンテナ感度を少しだけ高めてください。きっと子どもの「感心ポイント」を発見できるはずです。



柏木悠斗