スマートフォン・ゾンビ ~思考力を奪うのはテレビ以上か?

教授の独り言
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朝日新聞(8/7付け)の「天声人語」に『歩きスマホ』に関する記事があった。
ゾンビ映画の何が怖いかと言えば、人間の姿をしているのに人間らしい思考も感情もないことだ。うつろな目をして集団で動き回る。そんな姿を連想するからだろう、「歩きスマホ」は英語で「スマートフォン・ゾンビ(smartphone zombies)」と言うらしい。

さて、ゾンビたちを横断歩道から締め出す条例がハワイのホノルル市で制定された。10月下旬からは、スマホを使いながら横断すると15ドル(約1650円)~35ドルの罰金が科され、繰り返すと金額が上がる。画面に目を奪われて事故にあうのを防ぐためだ。

読書しながら歩く人は多くはないが、歩きスマホはあっという間に広がった。その行為を「非人類的」とまで言うのが作家の藤原智美さんである。

「人間は歩いているとき、周囲の状況に目を配り、頭の中ではさまざまな思いや考えをめぐらす」。そんな二足歩行を始めて以来のあり方が変わってしまったと、著書『スマホ断食』で述べる。社会がスマホ一辺倒になり、一人で考えることから遠ざかっていくと警告する。

どうすればいいか。藤原さんの提案は、3日間の「スマホ断ち」である。小さな機械に魂を奪われゾンビ化していないか、自分で確かめる機会となろう。3日は長すぎると感じるのは、すでに心が支配されているせいか。

振り返ればテレビも漫画も、思考力を奪うと批判された歴史がある。スマホも心配しすぎだったということになるのかどうか。答えが出るのは、幼時から小さな画面に触れる世代が大人になるときだろうか。




岸良造