スウェーデンと日本の教育のどこが違うか?(その3)

5.人生のやり直しがしやすい学校システム
スウェーデンの基礎学校も高校も大学も授業料は無料です。ただし、大学の場合、教科書は有料です。また、18歳で成人をすると、親には扶養義務がなくなります。それゆえ、親宅から大学に通えない場合、生活費は子どもが自分で支払うことになります。大学教育は子どもが自分で自分に投資をするというがスウェーデンの常識なのです。それゆえ、まだ、将来、何になりたいか分からない高校生は、大学に行かず、働いたり、海外旅行をしたりします。そのため、高卒での大学進学率は日本よりずっと低いのです。

その代わり、将来、今の職業で自立をするのが難しくなったとか、人生の途中で、自分はどうしてもこの仕事に就きたいと思うと、やり直しが比較的容易にできるシステムになっています。例えば、私の娘は新聞記者でしたが、数年前30歳で失業してキャリアを変える決心をしました。そして、医者になることを決心すると、大学の医学部に入学を申請するための準備を始めました。高校で取得した単位が社会科学系だったので、大人の高校(高校の科目をもう一度勉強して大学入学に必要な単位をとることができるシステム)で自然科学の科目(数学、物理、化学、生物)の単位をとり直しました。

それから、全国一斉の大学入試を受けました。スウェーデンの大学は、全て国立です。その入試の点数か、高校の成績表のどちらか良い方で、どの大学に入れるかが決まります。娘は、希望するカロリンスカ医学大学に無事合格しました。

この、大人のための高校の授業料も医学大学の授業料も無料です。学生は生活費と教材のために、国のローン制度を活用します。毎月9000クローナ(約12万円)をローンとして借りますが、その内の2000クローナは返す必要がありません。

このように、1歳から生涯、大きな学費の負担がなく学ぶことができるのが、スウェーデンの教育の良いところだと思います。税金が高くて貯金はできませんが、子どもの学費のために貯金をする必要はないのです。また、私も、定年退職をした後でも、大学で勉強できると考えると、スウェーデンの税金の高さに納得をしています。

 

 

 

 

濱田健